令和6年度 行政書士試験 問31 保証
Aは、Bから金銭を借り受け、Cが、Aの同貸金債務を保証した。次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
保証人を立てる義務を負う者が立てるべき保証人は、行為能力者で弁済資力を有する者でなければなりませんが、債権者が保証人を指名した場合にはこの要件は適用されません(民法450条3項)。したがって指名後にCが無資力になっても代替請求はできず、本肢は正しい記述です。
- 2誤り
民法450条1項は保証人の要件として行為能力者であることを掲げますが、同条3項は債権者が保証人を指名した場合にはこの規定を適用しないとしています。BがCを指名する本肢ではCが行為能力者である必要はなく、「行為能力者でなければならない」とする本肢は誤りで、これが解答です。
- 3正しい
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予・更新は、保証人に対してもその効力を生じます(民法457条1項)。本肢は正しい記述です。
- 4正しい
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含します(民法447条1項)。本肢は正しい記述です。
- 5正しい
保証人は、その保証債務についてのみ、違約金または損害賠償の額を約定することができます(民法447条2項)。本肢は正しい記述です。
解説
保証に関する条文知識を問う問題で、誤っているものを選びます。正解の肢2は、保証人の資格要件(行為能力者かつ弁済資力者、450条1項)が、債権者が保証人を指名した場合には適用されない(同条3項)という例外を見落とさせる出題です。債権者が自ら指名した以上、その者の能力・資力を後から問題にできないという趣旨です。肢1も同じ450条3項の帰結で正しい記述です。時効の完成猶予・更新の付従性(肢3、457条1項)、保証債務の範囲(肢4、447条1項)、保証債務固有の違約金等の約定(肢5、447条2項)はいずれも正しい知識です。
ここがポイント
保証人の資格要件(行為能力者・弁済資力)は、債権者が保証人を指名した場合には適用されない(450条3項)。主債務者への時効の完成猶予・更新は保証人にも及ぶ(457条1項)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。