令和6年度 行政書士民法難易度 難

令和6年度 行政書士試験 問34 不法行為に基づく損害賠償

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和6年度 行政書士試験 試験問題」問34(原文のまま・無改変)

不法行為に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

正解この問題は「正解なし」として、受験者全員が正解の扱いとなりました。

肢ごとの解説

  • 1誤り

    近親者固有の慰謝料請求権(民法711条)は、被害者の父母・配偶者・子に認められるのが原則で、相続人であれば「常に」認められるわけではありません。本肢は妥当ではありません。

  • 2誤り

    判例(最判昭和39年1月28日)は、法人にも社会的名誉・信用といった無形の損害があり、金銭評価が可能な非財産的損害(無形の損害)の賠償が認められるとしています。一律に否定する本肢は妥当ではありません。

  • 3正しい

    判例(最判昭和43年11月15日)は、被害者が個人会社の代替性のない唯一の代表取締役で会社と経済的に一体をなす等の事情の下では、会社が被害者の負傷による逸失利益の賠償を請求できるとしています。本肢は判例に沿った妥当な記述です。

  • 4誤り

    後遺障害による逸失利益について、判例(最判令和2年7月9日)は一定の場合に定期金賠償も認めており、「一時金による一括賠償しか求められない」とする本肢は妥当ではありません。

  • 5正しい

    判例(最判平成8年4月25日)は、後遺障害による逸失利益の算定において、その後の別原因による死亡の事実は、交通事故時に死亡が客観的に予測されていた等の特段の事情がない限り就労可能期間の認定上考慮しないとしています。本肢も判例に沿った妥当な記述です。

解説

不法行為に基づく損害賠償の判例知識を問う問題ですが、本問は公式に「正解なし」として受験者全員が正解扱いとされた問題です。出題時に妥当とされる肢が複数存在しうる(肢3・肢5がいずれも判例に沿う)等の理由によるものと考えられます。学習上は、各肢の判例を正確に押さえることが有益です。法人の名誉毀損による無形損害の賠償(肢2の誤り)、個人会社の代表取締役の逸失利益(肢3)、後遺障害逸失利益と定期金賠償(肢4)、別原因による死亡と就労可能期間(肢5)はいずれも頻出判例です。

ここがポイント

本問は公式に「正解なし(全員正解)」とされた問題。法人にも無形損害の賠償は認められ、個人会社代表者の逸失利益は会社が請求できる場合がある。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。