令和6年度 行政書士憲法難易度 標準

令和6年度 行政書士試験 問4 プライバシー・検索結果の削除

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和6年度 行政書士試験 試験問題」問4(原文のまま・無改変)

インターネット上の検索サービスにおいて、ある人物Xの名前で検索をすると、Xの過去の逮捕歴に関する記事等が表示される。Xは、この検索事業者に対して、検索結果である URL 等の情報の削除を求める訴えを提起した。これに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    プライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益が法的保護の対象となり、逮捕歴もこれに含まれる、という検索結果削除請求事件(最決平成29年1月31日)の判示どおりで妥当です。

  • 2誤り

    同決定は、検索結果の提供が検索事業者自身による表現行為という『側面を有する』と判示しており、検索結果の提供を表現行為としての側面をもつものと評価しています。これを『表現行為とはいえない』とする本肢は判例に反し妥当ではありません。

  • 3正しい

    検索事業者による検索結果の提供が、現代社会においてインターネット上の情報流通の基盤としての役割を果たしている、という同決定の判示どおりで妥当です。

  • 4正しい

    公表されない法的利益と提供する理由に関する諸事情を比較衡量し、前者が優越することが『明らか』な場合に削除を求めうる、という同決定の判断枠組みどおりで妥当です。

  • 5正しい

    児童買春は強い社会的非難の対象であり罰則で禁止されている行為であって、相当期間経過後も公共の利害に関する事項でありうる、という同決定の事案判断に沿うもので妥当です。

解説

検索結果削除請求事件(最決平成29年1月31日)は、いわゆる『忘れられる権利』が問われた事案です。最高裁は、プライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益を法的保護の対象とし(肢1)、検索結果の提供は検索事業者自身の表現行為という側面を有すると同時に、情報流通の基盤としての役割を果たす(肢3)と評価しました。その上で、公表されない法的利益が提供理由に優越することが『明らか』な場合に限り削除を認めるという厳格な比較衡量の枠組みを示しました(肢4)。検索結果の提供を表現行為としての側面をもたないと断ずる肢2は、判例の趣旨に反し妥当でありません。

ここがポイント

検索結果の提供は検索事業者自身の『表現行為』としての側面を有する。削除は、公表されない利益が『明らかに優越』する場合に限られる(平成29年決定)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。