令和6年度 行政書士試験 問5 教育を受ける権利・学問の自由
教育に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
義務教育の無償(憲法26条2項)は授業料不徴収を意味し、教科書その他一切の費用の無償までを定めたものではない、とする教科書費国庫負担請求事件(最大判昭和39年2月26日)の判示どおりで妥当です。
- 2正しい
教科書検定が学問の自由・表現の自由に違反しないとした第一次家永教科書訴訟(最判平成5年3月16日)の判示どおりで妥当です。
- 3誤り
旭川学テ事件(最大判昭和51年5月21日)は、国家の教育権説と国民の教育権説のいずれも極端かつ一方的であるとして退け、両者を折衷しました。公教育の内容・方法を『専ら法律により定められ』、教育行政機関が『広く決定権限を有する』とする本肢は、国家の教育権説に偏った記述であり、判例の趣旨に反し妥当ではありません。
- 4正しい
教育を受ける権利の背後に、子どもの学習権(自己に教育を施すことを大人一般に要求する権利)の観念が存在する、という旭川学テ事件の判示どおりで妥当です。
- 5正しい
普通教育では児童生徒の批判能力の不足や教育水準確保の要請から、教師に完全な教授の自由は認められない、という旭川学テ事件の判示どおりで妥当です。
解説
本問の中心は旭川学力テスト事件(最大判昭和51年5月21日)です。同判決は、教育内容の決定権をめぐる『国家の教育権説』と『国民の教育権説』のいずれも極端かつ一方的であるとして排斥し、両者を折衷する立場を採りました。したがって公教育の内容・方法を『専ら法律により定められ、教育行政機関が広く決定権限を有する』とする肢3は、国家の教育権説に一方的に立つもので判例に反します。肢1は義務教育無償の意義(昭和39年)、肢2は教科書検定(家永訴訟)、肢4・肢5は子どもの学習権と教師の教授の自由の限界(旭川学テ事件)として、いずれも判例どおりです。
ここがポイント
旭川学テ事件は国家の教育権説・国民の教育権説の両極端を退ける折衷説。『専ら法律で決定』『教育行政機関が広く決定権』は国家の教育権説に偏り誤り。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。