令和6年度 行政書士民法難易度 標準記述式

令和6年度 行政書士試験 問45 記述式・動産売買先取特権(民法)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和6年度 行政書士試験 試験問題」問45(原文のまま・無改変)

Aは、海外からコーヒー豆を輸入して国内の卸売業者に販売する事業を営んでいる。Aは、卸売業者Bにコーヒー豆 1 トン(以下「甲」という。)を販売し、甲は、B所有の倉庫内に第三者に転売されることなくそのまま保管されている。Aは、Bに対し、甲の売買代金について、その支払期限経過後、支払って欲しい旨を伝えたが、Bは、経営不振を理由に、いまだAに支払っていない。BにはA以外にも一般債権者がいる。この場合に、Aは、甲についていかなる権利に基づき、どのような形で売買代金を確保することができるか。民法の規定に照らし、40 字程度で記述しなさい。

模範解答

Aは、甲の上に動産売買の先取特権を有し、甲を競売して代金から優先弁済を受けられる。

採点のポイント

  • Aが甲につき動産売買の先取特権(民法311条5号・321条)を有すること。
  • 目的物が債務者Bのもとに留まり第三者に引き渡されていないため、追及効が失われていないこと(民法333条)。
  • 先取特権を実行(担保不動産競売に準じた動産競売)して、その売却代金から他の一般債権者に優先して弁済を受けられること。

解説

動産の売主は、その動産の代価および利息に関し、売却した動産の上に動産売買の先取特権を有します(民法311条5号・321条)。先取特権は法律上当然に発生する担保物権であり、Aは売買代金債権につき甲を目的物として先取特権を取得します。先取特権は債務者が目的動産を第三取得者に引き渡すと行使できなくなりますが(民法333条)、本問では甲がBの倉庫内に転売されずそのまま保管されているため追及効が維持されています。したがってAは、甲について動産競売を申し立て、その換価代金から他の一般債権者に優先して売買代金の弁済を受けることができます。一般債権者にすぎないAが優先弁済権を確保できる点に先取特権の意義があります。

ここがポイント

動産売買の先取特権(民法311条5号・321条)。売主は売却した動産上に当然に先取特権を取得し、目的物が第三者に引き渡されない限り(333条)、これを競売して代金から優先弁済を受けられる。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。