令和6年度 行政書士試験 問46 記述式・債権者代位権による登記請求(民法)
Aは、Bとの間で、BがCから購入した甲土地(以下「甲」という。)を買い受ける契約を締結し、Bに対して代金全額を支払ったが、甲の登記名義はいまだCのままである。BC間の売買において、CがBへの移転登記を拒む理由は存在せず、また、BがCに対して移転登記手続をすべきことを請求している事実もない。一方、Aは、早期に甲の所有権取得の対抗要件として登記を具備したい。 このような場合、Aは、何のために、誰の誰に対するいかなる権利を、どのように行使できるか。40 字程度で記述しなさい。
模範解答
Aは、Bへの移転登記請求権を保全するため、BのCに対する登記請求権を代位行使できる。
採点のポイント
- 目的が、AのBに対する所有権移転登記請求権(被保全債権)を保全するためであること。
- 行使する権利が、債務者BのCに対する所有権移転登記請求権(被代位権利)であること。
- これを債権者代位権(民法423条・423条の7の登記請求権の代位)により代位行使すること。
解説
Aは、BからC名義の甲土地を買い受けていますが、登記はC→B→Aと順次移転させる必要があり、BがCに移転登記を請求しないため対抗要件を備えられずにいます。このような登記請求権を保全するための債権者代位については、民法423条の7が、登記・登録をしなければ権利の得喪・変更を第三者に対抗できない財産を譲り受けた者は、譲渡人が第三者に対して有する登記手続請求権を代位行使できる旨を定めています。すなわちAは、自己のBに対する移転登記請求権を保全するため、BがCに対して有する移転登記請求権を代位行使し、まずCからBへの移転登記を実現できます。被保全債権が金銭債権でなくても、登記請求権の保全のために債権者代位が認められる点(転用型)が要点です。
ここがポイント
登記請求権を保全するための債権者代位(民法423条の7)。不動産の買主は、自己の移転登記請求権を保全するため、売主が前主に対して有する登記手続請求権を代位行使できる(中間省略を経ない順次登記)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。