令和6年度 行政書士試験 問9 行政立法
行政立法に関する次の記述のうち、法令の定めまたは最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
意見公募手続の対象となる『命令等』には、法規命令のほか、審査基準・処分基準・行政指導指針も含まれます(行政手続法2条8号)。法規命令のみとする本肢は誤りです。
- 2正しい
憲法73条6号但書・内閣法等により、政令には法律の委任がある場合に限り罰則を設けることができます。本肢は妥当です。
- 3誤り
委任の範囲を逸脱した委任命令はその部分が無効であり、公定力により有効に扱われるわけではありません。命令は処分とは異なり、取消しを待つまでもなく無効です。本肢は誤りです。
- 4誤り
通達は行政組織内部の命令であって、原則として国民の権利義務に直接影響を及ぼさず、取消訴訟の対象となる処分性を有しません(最判昭和43年12月24日・墓地埋葬通達事件)。本肢は誤りです。
- 5誤り
処分基準に違反した処分が『当然に無効』となるわけではありません。判例(最判平成27年3月3日)は、処分基準に従わない処分を行うことに合理的理由がなければ裁量権の逸脱・濫用として違法となりうるとしますが、当然無効とまではしません。本肢は誤りです。
解説
本問は妥当なものを選ぶ問題です。意見公募手続の対象『命令等』には行政規則のうち審査基準・処分基準・行政指導指針も含まれます(肢1誤り)。委任の範囲を逸脱した委任命令はその限度で無効であり、取消しを待たず効力を否定されます(肢3誤り)。通達は内部規範で原則処分性がなく取消訴訟の対象になりません(肢4誤り)。処分基準違反の処分は裁量権の逸脱・濫用として違法となりうるが当然無効ではありません(肢5誤り)。これに対し、政令は法律の委任があれば罰則を設けることができ(憲法73条6号但書)、肢2が妥当です。
ここがポイント
政令の罰則は法律の委任があれば可(憲法73条6号但書)。意見公募の対象『命令等』には審査基準・処分基準・行政指導指針も含む。通達は原則処分性なし。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。