令和7年度 行政書士行政法難易度 難

令和7年度 行政書士試験 問17 抗告訴訟の対象

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験 試験問題」問17(原文のまま・無改変)

抗告訴訟の対象に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

正解1選択肢 1 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    最判昭和54年12月25日の趣旨どおりで妥当です。輸入禁制品該当の通知は観念の通知ではあるものの、これにより輸入が不可能となる法律上の効果が生じるため、処分性が認められます。

  • 2誤り

    交通反則金の納付通告は、通告を受けた者に反則金納付の法的義務を課すものではなく、納付するか否かは任意で、納付しなければ刑事手続に移行します。義務を生じさせ処分に当たるとする本肢は判例(最判昭和57年7月15日)に反し妥当ではありません。

  • 3誤り

    水道料金を一律に改定する条例の制定は、一般的・抽象的に料金を定める立法行為であり、特定の者に対する具体的な処分ではないため処分性は否定されます(最判平成18年7月14日)。処分に当たるとする本肢は妥当ではありません。

  • 4誤り

    登録免許税の還付通知をすべき旨の請求に対する拒否通知は、過誤納金還付を受けるための手続上の地位を否定する法的効果を有するため、処分性が認められます(最判平成17年4月14日)。処分に当たらないとする本肢は妥当ではありません。

  • 5誤り

    用途地域(工業地域)指定は、一般的・抽象的に建築制限を生じさせるにとどまり、特定個人の権利を具体的に侵害する処分ではないため処分性は否定されます(最判昭和57年4月22日)。処分に当たるとする本肢は妥当ではありません。

解説

本問は妥当なものを選ぶ問題です。最判昭和54年12月25日は、輸入禁制品に該当する旨の税関長の通知は観念の通知ではあるが、これにより輸入申告者は貨物を適法に輸入する道を閉ざされるという法律上の効果が生じるため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとしました。したがって肢1が妥当です。肢2(交通反則金の通告)、肢3(水道料金改定条例)、肢5(用途地域指定)はいずれも処分性が否定され、肢4(登録免許税の還付通知拒否)は逆に処分性が肯定されており、本肢の結論が判例と反対であるため、いずれも妥当ではありません。

ここがポイント

輸入禁制品該当の税関長通知は観念の通知だが処分性あり(最判昭54・12・25)。交通反則金通告・料金改定条例・用途地域指定は処分性否定。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。