令和7年度 行政書士行政法難易度 難

令和7年度 行政書士試験 問21 国家賠償法

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験 試験問題」問21(原文のまま・無改変)

国家賠償法に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 (注)* 失火ノ責任ニ関スル法律

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    判例(最判平16・10・15)は、消防署職員の消火活動の不十分により残り火が再燃した事案でも失火責任法の適用を認めており、『失火に該当せず適用はない』とする本肢は妥当ではありません。

  • 2誤り

    複数公務員が共同して故意で違法に損害を加えた場合、加害公務員は国・公共団体に対し連帯して全額の求償債務を負うとするのが判例(最判令2・7・14)であり、『分割された求償債務』とする本肢は妥当ではありません。

  • 3誤り

    判例(最判平21・10・23)は、給与を負担する都道府県だけでなく、学校の設置主体である市町村も国家賠償責任を負い得るとしており、市町村が責任を負わないとする本肢は妥当ではありません。

  • 4正しい

    国賠法3条1項の費用負担者には、法律上負担義務を負う者のほか、これと同等もしくは近い費用を実質的に負担し事業を共同執行していると認められる者も含まれます(最判昭50・11・28)。本肢は妥当です。

  • 5誤り

    判例(最判昭57・4・1)は、一連の行為のいずれもが同一公共団体の公務員の職務上の行為であれば、加害行為者や加害行為を特定できなくても国賠責任が成立し得るとしており、特定を要するとする本肢は妥当ではありません。

解説

正解は肢4です。国家賠償法3条1項は、加害公務員の選任監督者・営造物の設置管理者と費用負担者が異なる場合に双方が責任を負う旨を定めますが、判例(最判昭50・11・28)は、この『費用負担者』に法律上負担義務を負う者のほか、これと同等もしくは近い費用を実質的に負担し事業を共同執行していると認められる者も含むとしており、肢4は妥当です。費用負担者の範囲を実質的に広く捉えることで被害者救済を図る趣旨です。

ここがポイント

国賠法3条1項の『費用負担者』には、法律上負担義務を負う者だけでなく、同等もしくはこれに近い費用を負担し実質的に事業を共同執行していると認められる者も含まれる(最判昭50・11・28)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。