令和7年度 行政書士試験 問30 売主の先取特権・所有権留保
Aは、Bとの間でA所有の建設機械甲(以下「甲」という。)をBに売却する旨の本件売買契約を締結し、甲をBに引き渡したが、弁済期が徒過したにもかかわらずBから代金の支払を受けていない。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
解除しても、解除前にCが甲の引渡しを受けて第三者となっていれば、Aは原状回復をCに対抗できない場合があり、『返還を求めることができる』と一律にいう本肢は妥当ではありません。
- 2誤り
動産売買先取特権は、留置権を有する修理業者(動産保存・先取特権の優先関係)との関係で常に優先するとは限らず、本肢は妥当ではありません。
- 3誤り
質権が設定され引渡しがされると、動産売買先取特権は第三取得者・質権者との関係で追及力を失い得るため、常に優先弁済を受けられるとする本肢は妥当ではありません。
- 4誤り
譲渡担保が占有改定により設定された場合、動産売買先取特権は第三取得者への引渡しにより追及できなくなり(民法333条)、Fが異議を述べられないとする本肢は妥当ではありません。
- 5正しい
所有権留保により売主Aが所有権を留保している以上、Bから占有改定で譲渡担保を受けたGは留保所有権に対抗できず、Aは留保所有権に基づき引渡しを請求できます。本肢は妥当です。
解説
正解(妥当なもの)は肢5です。所有権留保特約が付された売買では、代金完済まで売主Aが所有権を留保しています。買主Bが甲をGのために譲渡担保に供し占有改定で引き渡しても、Gは無権利者Bから占有改定により取得したにすぎず留保所有権に対抗できないため、AはGに対しても留保所有権に基づいて引渡しを請求でき、肢5は妥当です。
ここがポイント
動産売買先取特権は第三取得者への引渡し後は追及できない(民法333条)。これに対し所有権留保では売主が所有権を留保しており、占有改定による譲渡担保が介在しても留保所有権に基づき引渡しを請求できる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。