令和7年度 行政書士民法難易度 やや難

令和7年度 行政書士試験 問31 債権譲渡

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験 試験問題」問31(原文のまま・無改変)

Aを売主、Zを買主とする売買契約に基づいて発生したAのZに対する売買代金債権(以下「本件債権」という。)を、AがBに譲渡し、その旨の債権譲渡通知(以下「本件債権譲渡通知」という。)が内容証明郵便によって行われ、Zに到達した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    通知到達前に債務者ZがAに弁済していれば、それを譲受人Bに対抗でき、Bからの請求を拒めます(民法468条)。本肢は妥当です。

  • 2誤り

    同時到達の場合、各譲受人は全額請求でき、債務者は他の譲受人の存在を理由に弁済を拒めません(最判昭55・1・11)。本肢が妥当でない記述です。

  • 3正しい

    同時到達で弁済供託された場合、各譲受人は債権額に応じて供託金還付請求権を分割取得し、Bが全額の還付を請求することはできません(最判平5・3・30)。本肢は妥当です。

  • 4正しい

    通知到達前に債務者が取得した反対債権(貸金債権)による相殺は譲受人に対抗できます(民法469条1項)。本肢は妥当です。

  • 5正しい

    通知到達後に発生した債権でも、譲渡前の原因(売買契約)に基づいて生じた損害賠償請求権による相殺は譲受人に対抗できます(民法469条2項)。本肢は妥当です。

解説

正解(妥当でないもの)は肢2です。判例(最判昭55・1・11)は、確定日付ある譲渡通知が同時に債務者に到達した場合、各譲受人は債務者に対して債権全額の弁済を請求でき、債務者は他に同順位の譲受人がいることを理由に弁済を拒むことはできないとしました。したがって、Cの存在を理由に弁済を拒めるとする肢2は妥当ではありません。

ここがポイント

債権譲渡通知が同時到達した場合、各譲受人は債務者に全額請求でき、債務者は他の譲受人の存在を理由に弁済を拒めない(最判昭55・1・11)。譲渡通知前に取得した反対債権による相殺は譲受人に対抗できる。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。