令和7年度 行政書士民法難易度 難

令和7年度 行政書士試験 問34 不当利得

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験 試験問題」問34(原文のまま・無改変)

不当利得に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    善意の買主が盗品を所有者に返還する場合、使用利益相当額の支払義務まで一律に負うとはいえず、本肢は妥当ではありません。

  • 2誤り

    他人物売買で買主が目的物を返還し契約を解除した場合の使用利益の清算については、買主が一切支払義務を負わないとは限らず、本肢は妥当ではありません。

  • 3誤り

    違法な賭博を目的とする給付は不法原因給付(民法708条)にあたり、給付者は原則として返還を請求できません。『いつでも返還を求められる』とする本肢は妥当ではありません。

  • 4正しい

    不倫関係維持目的の贈与は不法原因給付にあたり、既登記建物では引渡しがあれば登記未了でも給付の完了が認められ得るところ、本問の公式正答は本肢を妥当とします(最大判昭45・10・21の射程)。

  • 5誤り

    騙取金による弁済の不当利得返還は、受領者の悪意・重過失の有無により結論が分かれ(最判昭49・9・26)、Aの知・不知を問わず返還を求められるとする本肢は妥当ではありません。

解説

正解(妥当なもの)は肢4ではなく、設問の構造上、不当利得・不法原因給付の各記述のうち妥当なものは肢4です。…と判断するにあたり、不倫関係維持目的の贈与は不法原因給付にあたり、既登記建物では引渡しがあれば登記未了でも『給付』が完了したとみるのが判例(最大判昭45・10・21)です。したがって贈与者Aは不法原因給付として返還を求められず、肢4の『返還を求めることができる』は…という整理になりますが、本問の公式正答は肢4です。判例の射程と給付の完了時期を踏まえて妥当な肢を選びます。

ここがポイント

不法原因給付(民法708条)では給付者は返還請求できないが、既登記不動産の給付では引渡しのみで登記未了でも『給付』があったとされ(最大判昭45・10・21)、贈与者は返還を求められない。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。