令和7年度 行政書士憲法難易度 難多肢選択式

令和7年度 行政書士試験 問41 人格的利益・身体への侵襲(旧優生保護法違憲)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験 試験問題」問41(原文のまま・無改変)

次の文章の空欄 ア 〜 エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

憲法13条は、人格的 ア に関わる重要な権利として、自己の意思に反して イ を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和2年(ク)第993号同5年10月25日大法廷決定・民集77巻7号1792頁参照)、不妊手術は、生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす イ であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約に当たる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。 ・・・(中略)・・・。 憲法13条は ウ と人格の尊重を宣言しているところ、〔不妊手術を強制する当時の優生保護法の〕本件規定の エ は、特定の障害等を有する者が不良であり、そのような者の出生を防止する必要があるとする点において、立法当時の社会状況をいかに勘案したとしても、正当とはいえないものであることが明らかであり、本件規定は、そのような エ の下で特定の個人に対して生殖能力の喪失という重大な犠牲を求める点において、 ウ と人格の尊重の精神に著しく反するものといわざるを得ない。 (最大判令和6年7月3日民集78巻3号382頁)

語群

  1. 1. 利益
  2. 2. 人権の不可侵
  3. 3. 平等
  4. 4. 提案理由
  5. 5. 生存
  6. 6. 自由の制約
  7. 7. 国民の権利
  8. 8. 生命への危害
  9. 9. 正当化根拠
  10. 10. 身体への侵襲
  11. 11. 必要性及び合理性
  12. 12. 人格の自律
  13. 13. 立法目的
  14. 14. 自由
  15. 15. 精神的苦痛
  16. 16. 公共の福祉
  17. 17. 立法目的達成手段
  18. 18. 人格の否定
  19. 19. 個人の尊厳
  20. 20. 選択

空欄の正解

  • 5. 生存

    不妊手術は生殖能力という人としての存立に関わる根源的な利益を奪うものであり、憲法13条が保障する人格的『生存』に関わる重要な権利が問題となるため、この語が入ります。

  • 10. 身体への侵襲

    不妊手術は身体に対する直接の医的処置であり、自己の意思に反して受けない自由が保障されるべき対象として『身体への侵襲』が文脈に合致します。

  • 19. 個人の尊厳

    憲法13条前段が宣言する『すべて国民は、個人として尊重される』との理念、すなわち『個人の尊厳』と人格の尊重が、本件規定が著しく反するとされた価値だからです。

  • 13. 立法目的

    特定の障害等を有する者の出生を防止する必要があるとする本件規定の目的そのものが正当性を欠くと判断されており、その『立法目的』が問われているためです。

解説

正解はア=5(生存)、イ=10(身体への侵襲)、ウ=19(個人の尊厳)、エ=13(立法目的)です。最大判令和6年7月3日は、旧優生保護法が特定の障害等を有する者に不妊手術を強制した規定を、憲法13条等に反し違憲としました。判決は、不妊手術が生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす身体への侵襲であり、人格的生存に関わる重要な権利として、自己の意思に反してこれを受けない自由が13条で保障されるとしました。そのうえで、不良な子孫の出生防止という本件規定の立法目的自体が、立法当時の社会状況を勘案しても正当とはいえず、13条が宣言する個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反すると判断しました。手段の合理性以前に立法目的そのものを否定した点に特徴があります。

ここがポイント

旧優生保護法違憲判決(最大判令6・7・3)は、不妊手術の強制を、身体への侵襲を受けない自由(憲法13条・人格的生存に関わる重要な権利)の重大な制約と捉え、不良な子孫の出生防止という立法目的自体が個人の尊厳に反し正当性を欠くとした。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。