令和7年度 行政書士行政法難易度 難多肢選択式

令和7年度 行政書士試験 問43 在外邦人国民審査権訴訟(確認の訴えの適法性)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和7年度 行政書士試験 試験問題」問43(原文のまま・無改変)

次の文章の空欄 ア 〜 エ に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1〜20)から選びなさい。

いわゆる在外邦人国民審査権訴訟は、現に国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(在外国民)が原告となり、在外国民に最高裁判所裁判官国民審査(国民審査)に係る審査権の行使が認められていないことの適否等が争われた事件である。原告は、被告・国に対し、①主位的に、次回の最高裁判所裁判官国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求めるとともに(本件地位確認の訴え)、②予備的に、被告・国が原告に対して国外に住所を有することをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが憲法の規定に違反して違法であることの確認(本件違法確認の訴え)を求めた。 これについて、最高裁判所大法廷は、最高裁判所裁判官国民審査法(国民審査法)が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法に違反するとし、とりわけ、本件違法確認の訴えにつき、要旨次のような判示を行った(最大判令和4年5月25日民集76巻4号711頁)。 ①本件地位確認の訴えは、 ア に関する確認の訴えと解され、国民審査法4条、8条の解釈に基づいて、次回の国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求めているものと解される。しかしながら、国民審査法の規定により在外国民に審査権の行使が認められていると解することはできないから、本件地位確認の訴えに係る請求は理由がなく、 イ である。 ②本件違法確認の訴えは、国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことが違憲であることを理由として、被告・国が原告に対して国外に住所を有することをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが違法であると主張し、その確認を求めるものである。このような訴えは、 ア に関する確認の訴えと解され、当該訴えにおいて ウ が確定した場合、国会において、裁判所がした違憲である旨の判断が尊重されるものと解されることも踏まえると、結果的に上記の争いを解決するために エ な手段であると認められ、 ア に関する確認の訴えとして適法である。上記の違憲判断を踏まえ、本件違法確認の訴えに係る請求も認容すべきものである。

語群

  1. 1. 法令の憲法適合性
  2. 2. 処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無
  3. 3. 行政庁の公権力の行使に関する不服
  4. 4. 公法上の法律関係
  5. 5. 無効判決
  6. 6. 上告不受理決定すべきもの
  7. 7. 原審に差し戻すべきもの
  8. 8. 簡易迅速
  9. 9. 法律上の争訟に該当しないもの
  10. 10. 却下すべきもの
  11. 11. 棄却すべきもの
  12. 12. 事情判決
  13. 13. 裁判を受ける権利
  14. 14. 公正透明
  15. 15. 有効適切
  16. 16. 形成判決
  17. 17. 最終的
  18. 18. 取消判決
  19. 19. 効率的
  20. 20. 確認判決

空欄の正解

  • 4. 公法上の法律関係

    在外国民が審査権を行使できる地位や、その行使をさせないことの違法を争う訴えは、行政事件訴訟法4条にいう当事者訴訟、すなわち『公法上の法律関係』に関する確認の訴えと解されるためです。

  • 11. 棄却すべきもの

    地位確認の訴えは適法だが、国民審査法上在外国民に審査権が認められていないため請求自体に理由がなく、本案で『棄却すべきもの』となるからです。却下(訴え不適法)ではない点に注意します。

  • 20. 確認判決

    違法であることの確認を内容とする訴えで違憲・違法の判断が示されるのは『確認判決』であり、これが確定すれば国会において尊重されるという文脈に合致します。

  • 15. 有効適切

    確認判決が確定し国会で尊重されることで争いの解決に資するという点から、確認の利益を基礎づける『有効適切』な手段との評価が入ります。

解説

正解はア=4(公法上の法律関係)、イ=11(棄却すべきもの)、ウ=20(確認判決)、エ=15(有効適切)です。在外邦人国民審査権訴訟(最大判令和4年5月25日)は、在外国民に国民審査権の行使を認めない国民審査法を違憲としたうえで、確認の訴えの適否を論じました。地位確認の訴えと違法確認の訴えは、いずれも公法上の法律関係に関する確認の訴え(行訴法4条後段の実質的当事者訴訟)と解されます。主位的な地位確認の訴えは、訴え自体は適法でも、現行法上在外国民に審査権が認められていない以上請求に理由がなく棄却すべきものとされました。他方、予備的な違法確認の訴えは、その確認判決が確定すれば国会で尊重され、紛争解決にとって有効適切な手段であるとして、確認の利益が認められ適法とされ、請求も認容されました。確認の訴えにおける『却下(不適法)』と『棄却(理由なし)』の区別が問われる問題です。

ここがポイント

在外邦人国民審査権訴訟(最大判令4・5・25)は、地位確認・違法確認のいずれも公法上の法律関係に関する確認の訴え(実質的当事者訴訟)と解した。地位確認は適法だが請求に理由なく棄却、違法確認は確認判決が紛争解決に有効適切として確認の利益を認め適法・認容とした。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。