令和7年度 行政書士試験 問8 行政行為(処分)
行政行為(処分)に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
判例(最判昭和63年6月17日・実子あっせん医師指定取消事件等)は、明文の撤回規定がなくても、公益上の必要がある場合には授益的処分を撤回できるとしています。撤回が明文規定のある場合に限られるとする本肢は妥当ではありません。
- 2正しい
最判昭和36年3月7日等の趣旨どおりで妥当です。無効原因となる瑕疵の『明白性』は、処分の外形上、客観的に誤認が一見看取し得るものであるかどうかによって判断されます。
- 3誤り
判例(最判昭和29年1月21日等)は、争訟裁断的性質を持つ処分(紛争の終局的解決を図る処分)については、処分庁といえども特別の規定がない限りこれを取り消すことはできないとしています。取り消せるとする本肢は妥当ではありません。
- 4誤り
職権取消しは処分の成立時に違法のみならず『不当』があった場合にも認められると解されています。不当の場合を除外する本肢は妥当ではありません。
- 5誤り
瑕疵の治癒の法理により、その後の事情で瑕疵が実質的に問題とならなくなった場合には、処分を取り消さず維持することが認められる場合があります。一切治癒されないとする本肢は妥当ではありません。
解説
本問は妥当なものを選ぶ問題です。行政処分の無効原因となる『重大かつ明白な瑕疵』のうち明白性は、処分の外形上、客観的に誤認が一見看取し得るかどうか(外観上一見明白説)によって判断されるとするのが判例(最判昭和36年3月7日等)であり、肢2が妥当です。肢1は明文規定がなくても公益上の必要で撤回できる点、肢3は争訟裁断的処分は処分庁でも取り消せない点、肢4は不当も職権取消しの対象となる点、肢5は瑕疵の治癒が認められる場合がある点で、いずれも妥当ではありません。
ここがポイント
無効原因の『明白性』は処分の外形上、客観的に誤認が一見看取し得るかで判断(外観上一見明白説)。争訟裁断的処分は処分庁でも取消し不可。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和7年度(2025年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。