平成29年度 社労士労働者災害補償保険法難易度 やや難

平成29年度 社労士試験 問17 労災保険制度

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「平成29年度 社会保険労務士試験 試験問題」問17(原文のまま・無改変)

労災保険制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    最判昭29.11.26等は、労災保険給付請求権は行政機関の支給決定により具体的に発生し、それ以前は抽象的請求権にとどまる旨判示しています。記述どおり正しい肢です。

  • 2正しい

    最判平15.9.4は、労災就学援護費の支給・不支給決定は、被災労働者・遺族の権利に直接影響を及ぼす法的効果を有する公権力の行使にあたり、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるとしました。本肢は「行政処分に当たらない」とする点で判例の趣旨と正反対であり、誤りです。

  • 3誤り

    中小事業主の特別加入制度(労災法33条以下)は、労働者に関する保険関係を前提に中小事業主等を労働者とみなして法の適用を可能とする制度です。判例(最判平9.1.23等)の整理として正しい記述です。

  • 4誤り

    労災法12条の5第1項により、保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはありません。記述どおり正しい肢です。

  • 5誤り

    労災法12条の2の2第1項により、労働者が故意に事故等を生じさせた場合、政府は保険給付を行いません。記述どおり正しい肢です。

解説

労災就学援護費の支給・不支給決定の法的性質について、最判平15.9.4は、(1)労災法23条1項2号および同条2項に基づく社会復帰促進等事業の一環として、(2)支給要件・額が通達により明確に定められ、(3)被災労働者・遺族の権利義務に直接影響を及ぼす法的効果を有するとして、抗告訴訟の対象たる行政処分性を肯定しました。本肢はこの判旨と正反対の結論を述べており誤りです。保険給付請求権の発生時期、特別加入制度、退職による変更不可、故意による免責など、労災保険制度の基本論点も併せて確認しておきましょう。

ここがポイント

労災就学援護費の支給・不支給決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたります(最判平15.9.4)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する平成29年度(2017年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。