平成29年度 社労士試験 問48 健康保険法
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
傷病手当金は『療養のため労務不能であること』が要件であり、療養が自費診療か保険診療かは問いません。自費診療でも要件を満たせば支給され、本肢は誤りです。
- 2正しい
高額療養費の支給要件は保険者ごとに判定されるため、月途中で協会けんぽから健康保険組合に保険者が変わった場合、同一の病院で受けた療養であっても、それぞれの保険者ごとに自己負担額を合算し判定します。正しい記述で、これが正解です。
- 3誤り
70歳以上の被扶養者の家族療養費の給付割合は、被保険者が現役並み所得者(標準報酬月額28万円以上等)でないかぎり80%(自己負担2割)です。健康保険法110条の被扶養者の年齢区分(70歳以上一般)に照らせば、収入520万円超でも『現役並み』判定によっては7割(給付)/3割(自己負担)となる場合があり得ますが、本肢の70%という記述は本問の事案下で誤りとなります。
- 4誤り
傷病手当金と障害厚生年金との調整は健康保険法108条に定められ、障害手当金についても同条で調整対象となります。障害手当金は調整対象にならないとする本肢は誤りです。
- 5誤り
資格喪失後の継続給付として傷病手当金を受けていた者が、傷病手当金を受けなくなった日後3か月以内に死亡した場合は、生計維持関係にあり埋葬を行う者に対し埋葬料が支給されます(健康保険法105条)。受給できないとする本肢は誤りです。
解説
正解は肢2です。高額療養費は保険者ごとに『同一月・同一医療機関・同一受診者』の自己負担額を合算して限度額を超えた部分を支給するため、月途中で保険者が変わると同一病院での治療であっても保険者ごとに別個に判定します。月途中の転職・保険者変更は実務上の落とし穴で、本問は典型論点を問うています。肢1の傷病手当金は自費診療でも要件を満たせば支給、肢4の障害手当金との調整あり、肢5の資格喪失後継続給付終了から3か月以内の死亡には埋葬料支給ありがそれぞれ正しい結論で、本肢では誤った記述として並べられています。
ここがポイント
高額療養費は『保険者ごと・同一月・同一医療機関』で判定。月途中で保険者が変われば判定もリセットされる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する平成29年度(2017年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。