平成29年度 社労士試験 問49 ア〜オの組合せ問題(短時間労働者)
健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。なお、本問における短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である者又は1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満である者のことをいう。 ア 特定適用事業所とは、事業主が同一である1又は2以上の適用事業所であって、当該1又は2以上の適用事業所に使用される特定労働者の総数が常時100人を超えるものの各適用事業所のことをいう。 イ 特定適用事業所に使用される短時間労働者の年収が130万円未満の場合、被保険者になるか、被保険者になることなく被保険者である配偶者の被扶養者になるかを選択することができる。 ウ 特定適用事業所に使用される短時間労働者について、健康保険法第3条第1項第9号の規定によりその報酬が月額88,000円未満である場合には、被保険者になることができないが、この報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいう。 エ 特定適用事業所において被保険者である短時間労働者の標準報酬月額の定時決定は、報酬支払いの基礎となった日数が11日未満である月があるときは、その月を除いて行う。また、標準報酬月額の随時改定は、継続した3か月間において、各月とも報酬支払いの基礎となった日数が11日以上でなければ、その対象とはならない。 オ 特定適用事業所に使用される短時間労働者について、1週間の所定労働時間が20時間未満であるものの、事業主等に対する事情の聴取やタイムカード等の書類の確認を行った結果、残業等を除いた基本となる実際の労働時間が直近2か月において週20時間以上である場合で、今後も同様の状態が続くと見込まれるときは、当該所定労働時間は週20時間以上であることとして取り扱われる。 ※ <改題> 年金法の改正により、令和4年10月より 特定適用事業所に該当する適用事業所の企業規模が拡大されました。 これに伴い 元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。 <参考>
肢ごとの解説
- 1誤り
アは現行法(改題後)の特定適用事業所の定義どおり正しく、エも報酬支払基礎日数11日未満を除外する短時間労働者の定時決定・随時改定の特例どおり正しいため、誤りの組合せとして不適切です。
- 2誤り
アは正しく、オも所定労働時間と実態が乖離している場合の取扱いに関する通達どおり正しいため、誤りの組合せとして不適切です。
- 3正しい
イは短時間労働者の被保険者該当要件は法定要件(年収・労働時間・月額報酬等)を満たせば強制適用であり、本人の選択により被扶養者として残ることはできず誤りです。ウは『労働の対償として受けるすべてのもの』ではなく、最低賃金法の算定基礎に準じて臨時の賃金や賞与・割増賃金等を除外して算定するため誤りです。両方とも誤りで、これが正解です。
- 4誤り
イは誤りですが、エは正しいため、組合せとして不適切です。
- 5誤り
ウは誤りですが、オは正しいため、組合せとして不適切です。
解説
正解は肢3(C・イとウ)です。イは、特定適用事業所に使用される短時間労働者が法定の被保険者要件(週20時間以上・月額88,000円以上・継続雇用見込み等)を満たした場合、強制適用となり本人が被扶養者として残るか否かを選択することはできないため誤りです。ウは月額報酬88,000円の算定にあたり、最低賃金法のルールに準じて臨時の賃金、賞与、時間外・休日・深夜割増賃金、精皆勤手当・通勤手当・家族手当を除外して算定するため、『すべてのもの』を含めるとする本肢は誤りです。アは令和4年10月改正後の特定労働者『常時100人超』の定義どおり、エは短時間労働者の標準報酬月額決定における支払基礎日数11日未満月の除外特例どおり、オは所定労働時間と実態が乖離する場合の取扱通達どおりで、いずれも正しい記述です。
ここがポイント
短時間労働者の被保険者該当は強制適用(選択不可)。月額88,000円の算定からは賞与・時間外手当・通勤手当等を除外する。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する平成29年度(2017年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。