平成29年度 社労士試験 問50 健康保険法
健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
健康保険法116条で故意による給付事由は給付制限の対象ですが、自殺未遂が精神疾患等に起因する場合は『故意』に当たらないとする通達があり、保険給付の対象となります(平成22年5月21日通達)。正しい記述です。
- 2正しい
任意継続被保険者の標準報酬月額は『資格喪失時の標準報酬月額』と『前年9月30日における全被保険者の平均額相当の標準報酬月額』のいずれか少ない額が原則で、組合管掌の場合は規約で平均額の範囲内に別途定めることができます(健康保険法47条)。条文どおり正しい記述です。
- 3正しい
賞与に係る保険料は『資格喪失月の前月までに支払われた賞与』のみが対象であり、同月内に資格喪失した場合、当月支給の賞与に係る保険料は徴収されません。事業主に保険料納付義務はなく、正しい記述です。
- 4誤り
定時決定の対象から除外されるのは『6月1日から7月1日までに被保険者資格を取得した者』であり、6月1日資格取得者も定時決定の対象外です。6月25日支給の賃金で定時決定を行うとする本肢は誤りで、これが正解です。
- 5正しい
報酬の一部を現物給与として受け取っている場合に、現物給与の標準価額が厚生労働大臣告示により改正されたときは、固定的賃金の変動として随時改定の要件に該当します。正しい記述です。
解説
正解は肢4です。標準報酬月額の定時決定は7月1日現在の被保険者を対象に行いますが、6月1日から7月1日までに資格取得した者は『その年に限り定時決定の対象外』とされ、資格取得時決定で定めた標準報酬月額がそのまま当年8月以降にも適用されます。本肢は6月1日資格取得者を定時決定の対象とする点で誤っており、出題者は『6月1日と7月1日の区別』を問うています。肢1の自殺未遂と給付制限、肢2の任意継続被保険者の標準報酬月額、肢3の同月内資格喪失時の賞与保険料、肢5の現物給与価額改正による随時改定はいずれも条文・通達どおり正しい記述です。
ここがポイント
定時決定は『6月1日〜7月1日資格取得者はその年除外』。同月内資格喪失の賞与保険料は徴収されない。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する平成29年度(2017年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。