平成29年度 社労士試験 問52 厚生年金保険法
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
厚生年金保険法102条等により、事業主が報酬月額・賞与額に関する届出を正当な理由なく怠った場合、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される罰則が定められています。正しい記述です。
- 2正しい
昭和27年4月2日以後生まれの者が65歳に達して老齢厚生年金の受給権を取得したときは、遺族厚生年金の額のうち、老齢厚生年金(加給年金額を除く)に相当する部分が支給停止されます(厚生年金保険法64条の2)。正しい記述です。
- 3誤り
厚生年金保険法に基づく審査請求の宛先は『原則として社会保険審査官に対する審査請求、再審査請求は社会保険審査会』であり、保険料の滞納処分も脱退一時金処分もまず社会保険審査官への審査請求が原則です。脱退一時金処分について直接社会保険審査会に審査請求するとする本肢は誤りで、これが正解です。
- 4正しい
厚生年金保険法40条により、第三者行為事故で保険給付を行ったときは、政府等は給付価額の限度で受給権者の損害賠償請求権を代位取得し、また受給権者が第三者から損害賠償を受けたときは、その価額の限度で保険給付をしないことができます。正しい記述です。
- 5正しい
厚生年金保険法50条3項により、障害等級3級の障害厚生年金の最低保障額は、障害等級2級の障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(端数処理あり)とされており、計算上の額がこれに満たないときは当該最低保障額が支給されます。正しい記述です。
解説
正解は肢3です。厚生年金保険に関する処分の不服申立てルートは、原則として『社会保険審査官に対する審査請求 → 社会保険審査会に対する再審査請求』の二審制で、保険料滞納処分も脱退一時金に関する処分もまず社会保険審査官への審査請求から始まります。本肢は脱退一時金処分の審査請求を直接社会保険審査会とする点で誤っています。肢1の罰則(6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金)、肢2の昭和27年4月2日以後生まれの遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整、肢4の第三者行為事故に係る損害賠償請求権の代位取得、肢5の3級障害厚生年金の最低保障額(2級障害基礎年金額×3/4)はいずれも条文どおり正しい記述です。
ここがポイント
厚年の審査請求は『社保審査官 → 社保審査会』の二審制。脱退一時金処分も滞納処分も最初は審査官。3級障害厚年の最低保障額は2級障害基礎×3/4。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する平成29年度(2017年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。