平成29年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 やや難

平成29年度 社労士試験 問9 安全衛生管理体制

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「平成29年度 社会保険労務士試験 試験問題」問9(原文のまま・無改変)

次に示す業態をとる株式会社についての安全衛生管理に関する記述のうち、正しいものはどれか。なお、衛生管理者及び産業医については、選任の特例( 労働安全衛生規則第8条及び同規則第13条第3項 )を考えないものとする。 X市に本社を置き、人事、総務等の管理業務と営業活動を行っている。使用する労働者数常時40人 Y市に工場を置き、食料品を製造している。工場は24時間フル操業で、1グループ150人で構成する4つのグループ計600人の労働者が、1日を3つに区分した時間帯にそれぞれ順次交替で就業するいわゆる4直3交替で、業務に従事している。したがって、この600人の労働者は全て、1月に4回以上輪番で深夜業に従事している。なお、労働基準法第36条第1項ただし書きに規定する健康上特に有害な業務に従事する者はいない。 Z市に2店舗を置き、自社製品を小売りしている。Z1店舗使用する労働者数常時15人 Z2店舗使用する労働者数常時15人( ただし、この事業場のみ、うち12人は1日4時間労働の短時間労働者 )

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    X市本社は労働者40人で、業種は管理・営業(その他の業種)です。総括安全衛生管理者は当該業種では常時1,000人以上で選任義務が生じ(安衛令2条3号)、また衛生管理者は常時50人以上で選任義務(同令4条)。40人では総括安全衛生管理者・衛生管理者・産業医のいずれも選任義務はありません。

  • 2正しい

    Y市工場(食料品製造業、常時600人)は、安全委員会(安衛令8条)・衛生委員会(同令9条)の設置義務があり、両者を統合した安全衛生委員会の設置で代えられます(安衛法19条1項)。また常時1,000人未満であっても、深夜業を含む業務に常時500人以上従事させる事業場では専属の産業医を選任する必要があります(安衛則13条1項3号)。本肢が正しい記述です。

  • 3誤り

    衛生管理者の選任数は労働者数に応じ、常時500人超1,000人以下では3人以上(安衛則7条1項4号ホ)で、Y工場(600人)は3人で正しいですが、衛生工学衛生管理者免許者の選任は「常時500人を超え、坑内労働又は安衛則18条で定める健康上特に有害な業務に常時30人以上従事させる事業場」に限られます(安衛則7条1項6号)。設問では有害業務従事者はいないため、衛生工学衛生管理者の選任義務はありません。

  • 4誤り

    衛生推進者・安全衛生推進者の選任義務は事業場ごとに判断され、本社で衛生管理者が選任されていてもZ1店舗(常時15人)の選任義務は免除されません(安衛法12条の2、安衛則12条の2)。

  • 5誤り

    衛生推進者の選任義務は常時10人以上50人未満の事業場に課されます。Z2店舗の常時労働者は15人で、短時間労働者も人数に含まれるため、選任義務があります(安衛法12条の2)。

解説

Y市工場(食料品製造業、常時600人)の安全衛生管理体制が論点です。常時50人以上の事業場には安全委員会・衛生委員会の設置が必要で(業種・規模要件あり)、両者は安全衛生委員会で代替できます。産業医は常時50人以上で選任義務、さらに常時1,000人以上の事業場、または安衛則13条1項3号に掲げる有害業務(深夜業含む)に常時500人以上従事させる事業場では専属でなければなりません。Y工場は600人全員が深夜業を含む交替勤務に従事しているため、専属産業医の選任が必要です。衛生工学衛生管理者の要件、店舗事業場の衛生推進者の取扱いも整理しておきましょう。

ここがポイント

深夜業を含む業務に常時500人以上従事させる事業場では専属の産業医を選任します。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する平成29年度(2017年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。