平成30年度 社労士試験 問19 労働保険徴収法第17条に規定する追加徴収等
労働保険徴収法第17条に規定する追加徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。ア政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、増加した保険料の額の多少にかかわらず、法律上、当該保険料の額について追加徴収が行われることとなっている。イ政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引下げを行ったときは、法律上、引き下げられた保険料の額に相当する額の保険料の額について、未納の労働保険料その他この法律による徴収金の有無にかかわらず還付が行われることとなっている。ウ追加徴収される概算保険料については、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の額の通知を行うが、その納付は納付書により行われる。エ追加徴収される概算保険料については、延納をすることはできない。オ追加徴収される増加概算保険料については、事業主が増加概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。
肢ごとの解説
- 1正しい
保険料率の引上げによる追加徴収は、増加額の多少にかかわらず法律上当然に行われます(徴収法17条1項)。記述は正しく、誤りではありません。
- 2誤り
保険料率の引下げの場合、引き下げられた額に相当する保険料はまず未納の労働保険料その他の徴収金に充当され、なお残余があれば還付されます(徴収法施行規則等)。未納の有無にかかわらず還付されるとする点が誤りです。
- 3正しい
追加徴収される概算保険料は、所轄都道府県労働局歳入徴収官が額を通知し、その納付は納付書(納入告知書)により行われます。記述は正しく、誤りではありません。
- 4誤り
追加徴収される概算保険料についても、納期限までに納付すべき額が一定額以上等の要件を満たせば延納が認められます(徴収法18条・施行規則27条)。延納できないとする点が誤りです。
- 5誤り
事業主が申告書を提出しない場合等に額を決定して通知するのは『概算保険料の認定決定』(徴収法15条3項)の場面であり、追加徴収はそもそも政府が職権で行うため増加概算保険料申告書の提出を前提とする本記述の枠組み自体が誤りです。
解説
正解は肢3(三つ)です。誤っているのはイ・エ・オの三つです。イは、保険料率引下げの際の差額は未納の徴収金にまず充当され残余があってはじめて還付されるため『未納の有無にかかわらず還付』が誤りです。エは、追加徴収される概算保険料も要件を満たせば延納できるため『延納できない』が誤りです。オは、追加徴収が政府の職権で行われる手続であり、増加概算保険料申告書の提出・認定決定を前提とする記述の組立てが誤りです。アは増加額の多少を問わず追加徴収される点、ウは歳入徴収官の通知と納付書による納付の点で正しい記述です。
ここがポイント
追加徴収は政府が職権で行い、概算保険料でも延納が可能。料率引下げ時の差額はまず未納徴収金へ充当し、残余があれば還付される(無条件還付ではない)。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、平成30年度(2018年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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