平成30年度 社労士試験 問5 労働基準法
労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
解雇予告手当は、解雇の意思表示に伴って支払われるものであり、労基法23条の『退職時にその請求に応じて7日以内に支払うべき金品』には当たらないと解されています(行政解釈)。よって本肢が正しい記述です。
- 2誤り
労基法16条が禁止するのは『賠償予定(損害賠償額をあらかじめ定めること)』であり、現実に生じた損害について賠償を請求すること自体は禁止されていません。現実損害の賠償請求約定は16条違反とならないため、本肢は誤りです。
- 3誤り
産前産後休業期間及びその後30日間は解雇が制限されますが(労基法19条)、『やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合』には例外的に解雇できます。ただし税金の滞納処分による事業廃止は、使用者の経営上の都合等であり『やむを得ない事由』に該当しないと解されるため、本肢は誤りです。
- 4誤り
満60歳以上の労働者との労働契約は、契約期間の上限が5年とされています(労基法14条1項2号)。これに違反した場合は労基法13条により契約期間は5年となるのであって、3年とする本肢は誤りです。
- 5誤り
労基法22条4項が禁止する通信の内容として掲げる『国籍、信条、社会的身分、労働組合運動』は限定列挙であり、例示列挙ではありません。これ以外の事項に関する通信は同項では禁止されないため、本肢は誤りです。
解説
正解は1です。解雇予告手当は解雇の意思表示に伴って支払われるものであり、労基法23条の退職時に7日以内に支払うべき金品(賃金・積立金等の労働者の権利に属する金品)には当たらないと解されています。肢2は16条が禁止するのは賠償予定であり現実損害の賠償請求は禁止されない点、肢3は税金滞納処分による事業廃止が『やむを得ない事由』に当たらない点、肢4は満60歳以上の契約上限は5年で違反時も5年となる点、肢5は22条4項の通信事項が限定列挙である点で、それぞれ誤りです。
ここがポイント
労基法16条が禁じるのは『賠償予定』であって現実損害の賠償請求は適法。満60歳以上の有期契約上限は5年。22条4項の通信禁止事項(国籍・信条・社会的身分・労働組合運動)は限定列挙。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、平成30年度(2018年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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