平成30年度 社労士試験 問53 厚生年金保険法等
厚生年金保険法等に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。ア保険料を徴収する権利が時効によって消滅したときは、当該保険料に係る被保険者であった期間に基づく保険給付は行わない。当該被保険者であった期間に係る被保険者の資格の取得について、厚生年金保険法第31条第1項の規定による確認の請求があった後に、保険料を徴収する権利が時効によって消滅したものであるときも同様に保険給付は行わない。イ厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律の施行日(平成19年7月6日)において厚生年金保険法による保険給付を受ける権利を有する者について、厚生年金保険法第28条の規定により記録した事項の訂正がなされた上で当該保険給付を受ける権利に係る裁定が行われた場合においては、その裁定による当該記録した事項の訂正に係る保険給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利について当該裁定の日までに消滅時効が完成した場合においても、当該権利に基づく保険給付を支払うものとされている。ウ年金たる保険給付を受ける権利の時効は、当該年金たる保険給付がその全額につき支給を停止されている間であっても進行する。エ厚生年金保険法第86条の規定によると、厚生労働大臣は、保険料の納付義務者が保険料を滞納したため期限を指定して督促したにもかかわらずその期限までに保険料を納付しないときは、納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項の指定都市にあっては、区又は総合区とする。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができ、当該処分の請求を受けた市町村が市町村税の例によってこれを処分したときは、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならないとされている。オ脱退一時金は、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求することができない。
肢ごとの解説
- 1誤り
アは誤りですが、イは正しい記述です。時効特例法の施行日に保険給付を受ける権利を有する者について記録訂正に基づく裁定が行われた場合、裁定日までに消滅時効が完成していても支払うものとされています。
- 2正しい
アとウがいずれも誤りです。アは資格取得の確認請求があった後に保険料徴収権が時効消滅した場合は給付を行うのが正しく、ウは全額支給停止中の年金受給権について時効は進行しないのが正しい扱いです。
- 3誤り
イは正しく、エも100分の4を市町村に交付するという厚生年金保険法第86条第5項の記述として正しいため、誤りの組合せにはなりません。
- 4誤り
ウは誤りですが、オは脱退一時金の2年の請求期限として正しい記述であり、この組合せは適切ではありません。
- 5誤り
エもオもいずれも正しい記述であり、誤りの組合せとはなりません。
解説
アは、保険料徴収権が時効消滅すると原則として当該期間に基づく給付は行いませんが、資格取得について第31条の確認請求があった後に徴収権が時効消滅した場合は、例外として給付を行うとされており、「同様に保険給付は行わない」とする点が誤りです。ウは、年金たる保険給付を受ける権利の消滅時効は、その全額につき支給を停止されている間は進行しないとされており、「進行する」とする点が誤りです。イ・エ・オはいずれも条文どおりの正しい記述です。したがって誤りの組合せはアとウであり、肢2が正解となります。時効の起算と支給停止中の取扱いを正確に区別することが解法の鍵です。
ここがポイント
資格取得の確認請求後に保険料徴収権が時効消滅した場合は給付を行う(例外)/全額支給停止中の年金受給権は時効が進行しない、という2点を押さえる。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、平成30年度(2018年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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