令和元年度 社労士試験 問49 任意継続・標準報酬(組合せ)
健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ア 被保険者の1週間の所定労働時間の減少により資格喪失した者が、事業所を退職することなく引き続き労働者として就労している場合には、任意継続被保険者になることが一切できない。 イ 任意継続被保険者が、健康保険の被保険者である家族の被扶養者となる要件を満たした場合、任意継続被保険者の資格喪失の申出をすることにより被扶養者になることができる。 ウ 同一の事業所においては、雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合、退職金の支払いの有無又は身分関係若しくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の資格も継続するものであるが、60歳以上の者であって、退職後継続して再雇用されるものについては、使用関係が一旦中断したものとみなし、当該事業所の事業主は、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができる。 エ 3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額(通常の随時改定の計算方法により算出した標準報酬月額。「標準報酬月額A」という。)と、昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に昇給月又は降給月前の継続した12か月及び昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した標準報酬月額(以下「標準報酬月額B」という。)との間に2等級以上の差があり、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合であって、現在の標準報酬月額と標準報酬月額Bとの間に1等級以上の差がある場合は保険者算定の対象となる。 オ 4月、5月、6月における定時決定の対象月に一時帰休が実施されていた場合、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行う。例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行う。
肢ごとの解説
- 1誤り
アは、所定労働時間の減少による資格喪失者でも任意継続被保険者の要件(継続2か月以上の被保険者期間等)を満たせば加入でき、「一切できない」とするのは誤りであるため、組合せとして不適切です。
- 2誤り
エは保険者算定の要件の述べ方が正確でなく、本問では誤りとされるため、イ・エ・オの組合せは正しくなりません。
- 3誤り
イ・ウは正しいものの、エが誤りであるため、組合せとして不適切です。
- 4正しい
イ(任意継続被保険者が家族の被扶養者となる要件を満たした場合の資格喪失申出による被扶養者化)、ウ(同一事業所での再雇用の資格継続原則と60歳以上の同日得喪の特例)、オ(一時帰休解消時の休業手当等を除く定時決定の処理)がいずれも正しく、正解となります。
- 5誤り
ウ・オは正しいものの、エが誤りであるため、組合せとして成立しません。
解説
イは、任意継続被保険者が健康保険の被保険者である家族の被扶養者となる要件を満たした場合、資格喪失の申出により被扶養者となることができる旨で正しい記述です(令和4年改正で本人申出による資格喪失が追加された)。ウは、同一事業所で1日の空白もなく再雇用された場合は使用関係が継続するため被保険者資格も継続するのが原則ですが、60歳以上の者が退職後継続して再雇用される場合は、使用関係がいったん中断したものとみなして同日付の資格喪失届・取得届を提出できる(いわゆる同日得喪)旨で正しい記述です。オは、定時決定の対象月に一時帰休があっても7月1日時点で解消していれば休業手当等の支払われた月を除いて定時決定を行う旨で正しい記述です。エは保険者算定(年間平均)の要件の述べ方が正確でなく誤りです。したがって正しいのはイ・ウ・オで、肢4が正解です。
ここがポイント
60歳以上の退職後継続再雇用は同日得喪が可能。一時帰休が7月1日時点で解消していれば休業手当等の月を除いて定時決定する。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和元年度(2019年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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