令和元年度 社労士試験 問6 労働時間(暦日・フレックス・事業場外みなし・割増賃金)
労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
「1日」は暦日が原則ですが、継続勤務が2暦日にわたる場合は1勤務として始業時刻の属する日の労働として扱うのが通達の取扱いで、正しい記述です。
- 2正しい
清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制では、1か月ごとに区分した各期間を平均し1週50時間を超える分は当該期間の賃金支払日に割増賃金を支払う必要があり、36協定の締結・届出も必要です。正しい記述です。
- 3正しい
事業場外労働のみなし労働時間制の労使協定は、みなし時間が法定労働時間以下である場合には届出が不要です。法定労働時間を超える場合のみ届出を要するため、正しい記述です。
- 4誤り
判例(日本ケミカル事件・最判平成30年)は、定額残業代が時間外手当の支払とみなせるか否かは、判別可能性(通常の労働時間の賃金部分と割増賃金部分が判別できること)を基本とし、本肢が列挙するような厳格な複数要件(バランスの適切性や福祉を損なう要因の不存在など)を一律に要求していません。本肢は誤りです。
- 5正しい
年次有給休暇は1労働日(暦日)単位が原則ですが、半日単位の付与は、労働者が希望し使用者が同意した場合で本来の取得を阻害しない範囲であれば認められるとする取扱いで、正しい記述です。
解説
正解(誤り)は肢4です。定額残業代に関する最高裁判例(日本ケミカル事件・最判平成30年7月19日)は、定額残業代を時間外手当の支払とみなせるか否かについて、雇用契約における賃金の定めにつき通常の労働時間の賃金部分と割増賃金部分とを判別できること(判別可能性)を中心に判断しており、肢4が掲げるような「金額のバランスの適切性」「福祉を損なう要因の不存在」といった付加的・厳格な要件を一律に課してはいません。肢1(暦日と2暦日勤務の取扱い)、肢2(清算期間超1か月のフレックスの割増)、肢3(事業場外みなしの届出不要の場合)、肢5(半日単位年休)はいずれも正しい記述です。
ここがポイント
定額残業代の有効性判断の核心は『判別可能性』(通常賃金部分と割増賃金部分の区別)。事業場外みなしはみなし時間が法定労働時間以下なら届出不要。清算期間超1か月のフレックスは1か月ごと1週50時間超で割増。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和元年度(2019年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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