令和2年度 社労士厚生年金保険法難易度 難

令和2年度 社労士試験 問53

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和2年度 社会保険労務士試験 試験問題」問53(原文のまま・無改変)

厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。ア 厚生年金保険の保険料は、被保険者の資格を取得した月についてはその期間が1日でもあれば徴収されるが、資格を喪失した月については徴収されない。よって月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は徴収されない。イ 特定被保険者が死亡した日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該死亡前に当該特定被保険者と3号分割標準報酬改定請求の事由である離婚又は婚姻の取消しその他厚生年金保険法施行令第3条の12の10に規定する厚生労働省令で定めるこれらに準ずるものをした被扶養配偶者に限る。)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日に3号分割標準報酬改定請求があったものとみなす。ウ 厚生労働大臣は、滞納処分等その他の処分に係る納付義務者が滞納処分等その他の処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることその他の政令で定める事情があるため、保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、財務大臣に、当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる。エ 日本年金機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、厚生年金保険法第100条の7第1項に規定する滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない。オ 障害等級3級の障害厚生年金の受給権者の障害の状態が障害等級に該当しなくなったため、当該障害厚生年金の支給が停止され、その状態のまま3年が経過した。その後、65歳に達する日の前日までに当該障害厚生年金に係る傷病により障害等級3級に該当する程度の障害の状態になったとしても、当該障害厚生年金は支給されない。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    肢Aは記述ア・イの組合せです。アは資格喪失月の保険料が徴収されない原則は正しいものの、月末日退職では翌月1日が資格喪失日となり退職月が喪失月に当たらないため、その月の保険料は徴収されます。アが誤りであるため本肢は不適切です。

  • 2誤り

    肢Bは記述ア・オの組合せです。前述のとおりアは月末退職の扱いを誤っており、オも障害等級不該当のまま3年を経過すると失権するという説明自体は正しい方向ですが、3年経過による失権前に再び該当すれば支給され得る点で記述が一面的です。正しい組合せにはなりません。

  • 3誤り

    肢Cは記述イ・ウの組合せです。イの3号分割請求のみなし規定は1か月以内ではなく適切な期間設定に誤りがあり、正しい組合せとはいえません。ウは正しい記述です。

  • 4正しい

    肢Dは記述ウ・エの組合せです。ウの財務大臣への滞納処分権限の委任(厚年法第100条の6等)も、エの日本年金機構が厚生労働大臣の認可を受け滞納処分等実施規程に従い徴収職員に行わせる仕組み(同法第100条の7)も、いずれも条文どおりで正しく、本肢が正解です。

  • 5誤り

    肢Eは記述エ・オの組合せです。エは正しいものの、オは障害不該当のまま65歳到達前に再び3級以上に該当すれば支給停止が解除され得るため『支給されない』と断ずる点が誤りです。よって正しい組合せにはなりません。

解説

正解は肢4(D=ウとエ)です。ウは、滞納処分等の効果的な徴収のため厚生労働大臣が財務大臣に権限を委任できる旨を定めた厚生年金保険法の規定どおりで正しい記述です。エも、日本年金機構が滞納処分等を行う際にあらかじめ厚生労働大臣の認可を受け、滞納処分等実施規程に従って徴収職員に行わせる仕組みを正しく述べています。一方、アは月末日退職の場合に翌月1日が資格喪失日となり退職月は喪失月に当たらないため保険料が徴収される点で誤りです。組合せ問題では各記述の正誤を一つずつ確定し、確実に正しい肢どうしの組合せを選ぶことが重要です。

ここがポイント

資格喪失月の保険料は徴収されないが、月末日退職は翌月1日喪失となり退職月分の保険料が徴収される。滞納処分等は機構が大臣の認可と実施規程に基づき徴収職員に行わせる。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和2年度(2020年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。