令和2年度 社労士厚生年金保険法難易度 難

令和2年度 社労士試験 問60

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和2年度 社会保険労務士試験 試験問題」問60(原文のまま・無改変)

厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。ア 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したときは、死亡した者が遺族厚生年金の保険料納付要件を満たしていれば、死亡の当時、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。イ 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている60歳以上65歳未満の者であって、特別支給の老齢厚生年金の生年月日に係る要件を満たす者が、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢に到達した日において第1号厚生年金被保険者期間が9か月しかなかったため特別支給の老齢厚生年金を受給することができなかった。この者が、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢到達後に第3号厚生年金被保険者の資格を取得し、当該第3号厚生年金被保険者期間が3か月になった場合は、特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。なお、この者は上記期間以外に被保険者期間はないものとする。ウ 令和2年8月において、総報酬月額相当額が220,000円の64歳の被保険者が、特別支給の老齢厚生年金の受給権を有し、当該老齢厚生年金における基本月額が120,000円の場合、在職老齢年金の仕組みにより月60,000円の当該老齢厚生年金が支給停止される。エ 障害厚生年金は、その傷病が治らなくても、初診日において被保険者であり、初診日から1年6か月を経過した日において障害等級に該当する程度の状態であって、保険料納付要件を満たしていれば支給対象となるが、障害手当金は、初診日において被保険者であり、保険料納付要件を満たしていたとしても、初診日から起算して5年を経過する日までの間に、その傷病が治っていなければ支給対象にならない。オ 遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていた55歳以上の夫が受給権者になることはあるが、子がいない場合は夫が受給権者になることはない。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    肢Aは記述ア・ウの組合せです。アは資格喪失後・初診日から5年以内の死亡という短期要件型の遺族厚生年金の説明として正しく、誤りの組合せにはなりません。

  • 2誤り

    肢Bは記述ア・エの組合せです。アは正しく、エの障害手当金の要件説明も初診日から5年以内に治った場合に支給されるという趣旨で大筋正しいため、誤りの組合せにはなりません。

  • 3誤り

    肢Cは記述イ・エの組合せです。イの特別支給の老齢厚生年金は受給開始年齢到達後に被保険者期間が要件月数を満たせば受給可能となる説明であり、エも正しいため、誤りの組合せにはなりません。

  • 4誤り

    肢Dは記述イ・オの組合せです。イは正しい記述であり、誤っているものの組合せとしては不適切です。

  • 5正しい

    肢Eは記述ウ・オの組合せで、いずれも誤りです。ウは総報酬月額相当額22万円+基本月額12万円=34万円で当時の支給停止基準額(28万円)を超えるため支給停止額の計算が異なり月6万円停止とはなりません。オは55歳以上の夫は子の有無にかかわらず受給権者となり得るため誤りです。本肢が正解です。

解説

正解(誤っているものの組合せ)は肢5(E=ウとオ)です。ウは在職老齢年金の支給停止額の計算が誤っています。令和2年当時の60歳台前半の在職老齢年金では基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止基準額(28万円)を超える部分の2分の1が停止されるところ、本肢の数値設定では停止額が月6万円とはなりません。オは、遺族厚生年金の受給権者として55歳以上の夫は子の有無にかかわらず認められ(子がいる場合の遺族基礎年金の併給とは別問題)、『子がいない場合は夫が受給権者になることはない』とする点が誤りです。在職老齢年金の計算式と遺族の範囲を正確に理解しておくことが必要です。

ここがポイント

60歳台前半の在職老齢年金は基本月額+総報酬月額相当額が支給停止基準額を超える部分の2分の1を停止。55歳以上の夫は子の有無にかかわらず遺族厚生年金の受給権者となり得る。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和2年度(2020年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。