令和2年度 社労士試験 問61
遺族基礎年金、障害基礎年金に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。ア 遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の遺族基礎年金が支払われた場合における当該遺族基礎年金の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき遺族基礎年金の内払とみなすことができる。イ 初診日において被保険者であり、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態にあるものであっても、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がない者については、障害基礎年金は支給されない。ウ 遺族基礎年金の支給に係る生計維持の認定に関し、認定対象者の収入については、前年の収入が年額850万円以上であるときは、定年退職等の事情により近い将来の収入が年額850万円未満となると認められても、収入に関する認定要件に該当しないものとされる。エ 障害等級2級の障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して6か月を経過した日に人工心臓(補助人工心臓を含む。)を装着した場合には、障害の程度が増進したことが明らかな場合として年金額の改定の請求をすることができる。オ 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されない。
肢ごとの解説
- 1誤り
肢Aは記述ア・ウの組合せです。アは正しいものの、ウは前年収入が850万円以上でも定年退職等で近い将来850万円未満となると認められれば生計維持の認定要件に該当するため誤りであり、組合せとして不適切です。
- 2正しい
肢Bは記述ア・エの組合せで、いずれも正しい記述です。アの内払調整(過払いを後の支払いの内払とみなす)は条文どおりで、エの人工心臓装着は障害の程度が増進したことが明らかな場合として額改定請求の待期(1年)を要せずに請求できる事由とされており、本肢が正解です。
- 3誤り
肢Cは記述イ・エの組合せです。イは初診日要件(被保険者であること)を満たす者について、保険料納付要件を前々月までの期間で判断する点を不当に拡張した記述で誤りであり、組合せとして不適切です。
- 4誤り
肢Dは記述イ・オの組合せです。イが誤りであり、オも遺族基礎年金を受けられる者があるときは死亡一時金は支給されないという原則の例外(同月失権の扱い)を踏まえると正確でなく、正しい組合せにはなりません。
- 5誤り
肢Eは記述ウ・オの組合せです。ウが誤りであるため、正しいものの組合せとしては不適切です。
解説
正解(正しいものの組合せ)は肢2(B=アとエ)です。アは、減額改定すべきであったのに減額前の額が支払われた場合、その過払部分を後に支払う遺族基礎年金の内払とみなすことができるという調整規定で正しい記述です。エは、人工心臓(補助人工心臓を含む)の装着は障害の程度が増進したことが明らかな場合に該当し、額改定請求の1年待期を要せずに請求できる事由とされており正しい記述です。ウは、前年収入が850万円以上でも定年退職等により近い将来850万円未満となると見込まれれば生計維持の認定要件に該当するため誤りです。内払調整と額改定請求の特例を正確に押さえることが鍵です。
ここがポイント
減額改定の過払分は後の支払いの内払とみなせる。人工心臓等の装着は障害増進が明らかな場合として1年待期なしで額改定請求できる。生計維持は将来850万円未満見込みなら認定される。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和2年度(2020年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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