令和2年度 社労士国民年金法難易度 難

令和2年度 社労士試験 問70

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和2年度 社会保険労務士試験 試験問題」問70(原文のまま・無改変)

国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。ア 第1号被保険者期間中に15年間付加保険料を納付していた68歳の者(昭和27年4月2日生まれ)が、令和2年4月に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、付加年金額に25.9%を乗じた額が付加年金額に加算され、申出をした月の翌月から同様に増額された老齢基礎年金とともに支給される。イ 障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。ウ 日本国籍を有しない60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、平成7年4月から平成9年3月までの2年間、国民年金第1号被保険者として保険料を納付していたが、当該期間に対する脱退一時金を受給して母国へ帰国した。この者が、再び平成23年4月から日本に居住することになり、60歳までの8年間、第1号被保険者として保険料を納付した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。なお、この者は、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。エ 令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。オ 第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。

正解1選択肢 1 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    肢Aは記述ア・ウの組合せで、いずれも誤りです。アは68歳での繰下げによる増額率が25.9%とされている点が誤り(66歳での繰下げに相当する率を取り違えている)で、ウは脱退一時金を受給した期間は受給資格期間から除かれ、残る8年間だけでは受給資格期間10年を満たさないため誤りです。本肢が正解です。

  • 2誤り

    肢Bは記述ア・オの組合せです。アは誤りですが、オの生活扶助受給による法定免除と14日以内の届出(大臣確認時を除く)は正しい記述であるため、誤っているものの組合せにはなりません。

  • 3誤り

    肢Cは記述イ・エの組合せです。イの法定免除と保険料納付申出の制度は正しく、エの追納可能期間(承認月前10年以内)の計算も正しいため、誤りの組合せにはなりません。

  • 4誤り

    肢Dは記述イ・オの組合せです。イ・オはいずれも正しい記述であり、誤っているものの組合せとしては不適切です。

  • 5誤り

    肢Eは記述ウ・エの組合せです。ウは誤りですが、エは正しい記述であるため、誤っているものの組合せにはなりません。

解説

正解(誤っているものの組合せ)は肢1(A=アとウ)です。アは、繰下げによる増額率の計算が誤っています。繰下げ加算は繰り下げた月数に応じた率(1か月あたり0.7%)で計算され、68歳到達時点での繰下げと66歳到達時点での繰下げで率が異なるところ、本肢の25.9%という率の適用が条文の計算と合致しません。ウは、脱退一時金を受給した期間はその後の受給資格期間に算入されないため、残る8年間の保険料納付済期間だけでは受給資格期間10年を満たさず、『受給資格期間を満たしている』とする点が誤りです。イ・エ・オは法定免除・追納・生活扶助による免除の手続として正しい記述です。繰下げ増額率の計算と脱退一時金受給期間の受給資格期間への不算入を正確に押さえる必要があります。

ここがポイント

繰下げ増額は繰り下げた月数×0.7%で計算する。脱退一時金を受給した期間は受給資格期間に算入されない。生活扶助受給は法定免除で14日以内に届出(大臣確認時を除く)。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和2年度(2020年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。