令和2年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法(選択式)難易度 hard選択式

令和2年度 社労士試験 問71 選択式(空欄補充)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和2年度 社会保険労務士試験 試験問題」問71(原文のまま・無改変)

次の文中の【A】〜【E】の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

1 使用者は、常時10人以上の労働者を就業させる事業、厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業の附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合においては、労働基準法第96条の規定に基づいて発する厚生労働省令で定める危害防止等に関する基準に従い定めた計画を、【A】に、行政官庁に届け出なければならない。2 最高裁判所は、自己の所有するトラックを持ち込んで特定の会社の製品の運送業務に従事していた運転手が、労働基準法上の労働者に当たるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。「上告人は、業務用機材であるトラックを所有し、自己の危険と計算の下に運送業務に従事していたものである上、F紙業は、運送という業務の性質上当然に必要とされる運送物品、運送先及び納入時刻の指示をしていた以外には、上告人の業務の遂行に関し、特段の指揮監督を行っていたとはいえず、【B】の程度も、一般の従業員と比較してはるかに緩やかであり、上告人がF紙業の指揮監督の下で労務を提供していたと評価するには足りないものといわざるを得ない。そして、【C】等についてみても、上告人が労働基準法上の労働者に該当すると解するのを相当とする事情はない。そうであれば、上告人は、専属的にF紙業の製品の運送業務に携わっており、同社の運送係の指示を拒否する自由はなかったこと、毎日の始業時刻及び終業時刻は、右運送係の指示内容のいかんによって事実上決定されることになること、右運賃表に定められた運賃は、トラック協会が定める運賃表による運送料よりも1割5分低い額とされていたことなど原審が適法に確定したその余の事実関係を考慮しても、上告人は、労働基準法上の労働者ということはできず、労働者災害補償保険法上の労働者にも該当しないものというべきである。」3 事業者は、労働者を本邦外の地域に【D】以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、労働安全衛生規則第44条第1項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。4 事業者は、高さ又は深さが【E】メートルを超える箇所で作業を行うときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降するための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難なときは、この限りでない。

語群

  1. 1. 0.7
  2. 2. 1
  3. 3. 1.5
  4. 4. 2
  5. 5. 1月
  6. 6. 3月
  7. 7. 6月
  8. 8. 1年
  9. 9. 業務遂行条件の変更
  10. 10. 業務量、時間外労働
  11. 11. 工事着手後1週間を経過するまで
  12. 12. 工事着手30日前まで
  13. 13. 工事着手14日前まで
  14. 14. 工事着手日まで
  15. 15. 公租公課の負担、F紙業が必要経費を負担していた事実
  16. 16. 時間的、場所的な拘束
  17. 17. 事業組織への組入れ、F紙業が必要経費を負担していた事実
  18. 18. 事業組織への組入れ、報酬の支払方法
  19. 19. 制裁、懲戒処分
  20. 20. 報酬の支払方法、公租公課の負担

空欄の正解

  • A13. 工事着手14日前まで

    事業附属寄宿舎の設置等の計画届は、労働基準法第96条の2第1項により「工事着手14日前まで」に行政官庁へ届け出ることとされています。

  • B16. 時間的、場所的な拘束

    労働者性の判断要素である指揮監督関係を構成する具体的指標として、判例は「時間的、場所的な拘束」の程度を挙げています。

  • C20. 報酬の支払方法、公租公課の負担

    横浜南労基署長(旭紙業)事件判決は、指揮監督関係に加え「報酬の支払方法、公租公課の負担」といった事情も検討した上で労働者性を否定しました。

  • D7. 6月

    海外派遣労働者の健康診断は、労働安全衛生規則第45条の2により「6月」以上の海外派遣の前後に行うこととされています。

  • E3. 1.5

    昇降設備の設置義務は、労働安全衛生規則第526条により高さ又は深さが「1.5」メートルを超える箇所での作業について課されます。

解説

正解はA=13(工事着手14日前まで)、B=16(時間的、場所的な拘束)、C=20(報酬の支払方法、公租公課の負担)、D=7(6月)、E=3(1.5)です。Aは事業附属寄宿舎の計画届の期限(労基則第5条の2・労基法96条の2)、B・Cは持込みトラック運転手の労働者性を否定した横浜南労基署長事件(最判平成8年11月28日)の判旨で、自己の危険と計算による業務遂行・拘束の緩やかさ・報酬の支払方法等を総合判断する枠組みを問うものです。Dは海外派遣労働者の特殊健康診断、Eは安全に昇降するための設備の設置義務に関する数値です。それぞれ条文上の数字や判例の文言を正確に記憶しているかが問われます。

ここがポイント

労働者性は「使用従属性」を中心に、指揮監督下の労働(時間的・場所的拘束、業務遂行上の指揮監督等)と報酬の労務対償性を基本に、事業者性(機材の負担・報酬の額)や専属性なども補強要素として総合判断する。安衛則の昇降設備は1.5m超、海外派遣健診は6月以上が基準。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和2年度(2020年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。