令和4年度 社労士試験 問11 脳・心臓疾患の認定基準
「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準(令和3年9月14日付け基発0914第1号)」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
令和3年改正の認定基準では、いわゆる過労死ラインを超えなくても『これに近い時間外労働』に加えて勤務時間の不規則性・拘束時間の長さ・出張の多さ・心理的負荷等の負荷要因を総合評価して業務との関連性を判断する旨が明記されており、近い時間でも関連性が強いと評価できる場合があります。本肢は誤りです。
- 2誤り
令和3年改正で、心理的負荷を伴う業務も脳・心臓疾患の業務起因性判断における負荷要因の一つとして明示的に評価対象に組み込まれました。対象外とする本肢は誤りです。
- 3正しい
短期間の過重業務は、発症直前〜前日の間の特に過度な長時間労働、または発症前おおむね1週間継続した深夜帯に及ぶ過度の長時間労働などが認められる場合に、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされています。本肢は認定基準の規定どおりで正しい記述です。
- 4誤り
『異常な出来事』と発症との関連性の評価期間は、発症直前から前日までの間とされており、1週間前までではありません。本肢は誤りです。
- 5誤り
複数事業労働者の業務上認定について、令和2年の労災保険法改正で長期間・短期間いずれの過重業務についても複数事業の労働時間を通算して評価する仕組みが導入されています。短期間は通算しないとする本肢は誤りです。
解説
正解は肢3です。令和3年9月改正の脳・心臓疾患の認定基準は『異常な出来事』『短期間の過重業務』『長期間の過重業務』の3類型で業務起因性を評価します。短期間の過重業務は、発症直前から前日までの著しい長時間労働や、発症前おおむね1週間継続した深夜時間帯の長時間労働などが要件です。改正のポイントとして、過労死ラインに満たない労働時間でも他の負荷要因(不規則勤務・拘束時間・心理的負荷等)と総合評価できるようになり(肢1否定)、心理的負荷も評価対象に加わり(肢2否定)、異常な出来事の評価期間は『直前〜前日』に限定(肢4否定)、複数事業の労働時間は短期間・長期間とも通算(肢5否定)されます。
ここがポイント
脳・心臓疾患の認定基準(令和3年改正)。3類型と評価期間、過労死ラインに近い時間+負荷要因の総合評価、複数事業の通算が頻出。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。