令和4年度 社労士試験 問16 通勤災害(合理的な経路・方法)
通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
出張先に向かう移動はその時点で出張業務の遂行とみるべきであり、通勤災害ではなく業務災害の検討対象となります(行政解釈)。通勤災害と認める本肢は誤りです。
- 2誤り
上司の命による同僚容体確認は業務の一環であり、社員寮へ戻る行為も業務遂行中とみるべきで、通勤災害ではなく業務災害として処理されます。本肢は誤りです。
- 3誤り
要介護の親族の介護のための立ち寄りは『日常生活上必要な行為』として労災保険法7条3項の中断・逸脱例外に該当しますが、これは『要介護状態の者の継続的または反復して行われる介護』に限定され、見舞いはこれに該当しません。本肢は誤りです(なお、復した後通勤に該当する場合でも、見舞いは例外行為に該当しないため、復路への復帰により通勤と認められる結論にはなりません)。
- 4正しい
通常経路上の道路工事等やむを得ない事情により迂回した経路は、ふだんと違っても合理的な経路と認められます(行政解釈)。本肢は正しい記述です。
- 5誤り
他に監護する者がいない共稼ぎ世帯において、子供を親戚に預けるための経路は、合理的な経路として通勤に含まれるのが行政解釈の立場です(保育所等への送迎と同様)。合理的な経路と認められないとする本肢は誤りです。
解説
正解は肢4です。労災保険法7条2項の『合理的な経路』とは、住居と就業の場所との間を往復する場合に一般に労働者が用いる経路をいい、通常の経路が道路工事や事故等で通行困難なため迂回した経路も合理的な経路に含まれます。肢1の出張先への移動は業務遂行中(業務災害領域)、肢2の上司の命による同僚確認は業務命令に基づく行為で業務災害領域、肢3の親族見舞いは介護目的でも継続的・反復的な介護でなければ7条3項例外に該当せず、肢5の子供を親戚に預ける経路は監護者不在の共稼ぎ家庭では合理的な経路と認められます。通勤の経路と中断・逸脱の例外規定の細かい運用が問われる総合問題です。
ここがポイント
通勤の合理的経路には『やむを得ない迂回』が含まれる。中断・逸脱の例外(7条3項)は日常生活上必要な行為(継続的介護・育児・選挙等)に限定。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。