令和4年度 社労士試験 問19 メリット制
労災保険のいわゆるメリット制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
継続事業の一括が行われた場合、メリット収支率は指定事業の保険関係成立の日から起算し、一括前の被一括事業の保険料・給付は算定基礎に算入しません。行政手引どおりの正しい記述です。
- 2誤り
有期事業の一括の適用を受けている建築の事業のメリット制適用には、確定保険料が40万円以上であるか請負金額が1億1,000万円以上であることが必要です。確定保険料が40万円未満のときは適用対象にはなりません。
- 3誤り
立木伐採の有期事業がメリット制の対象となるのは、素材の見込生産量が1,000立方メートル以上の場合ではなく、確定保険料の額が40万円以上又は素材の生産量が1,000立方メートル以上であって、かつ有期事業の一括の適用を受けていない単独有期事業に限られます。基準値も「1,000」ではなく異なります(正しくは素材1,000立方メートル以上は誤り、立木伐採の単独有期事業の基準は素材1,000立方メートル以上で正しい部分もありますが、本問では「適用対象となるものとされている」と断定する点が誤り。詳細は労働保険徴収法施行規則を参照)。
- 4誤り
確定保険料の特例(労保徴20条)により還付すべき差額は、未納の労働保険料等があるときは充当されますが、石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金は「労働保険料その他の徴収金」とは別建てで、本肢のとおりに当然に充当されるとはされていません。
- 5誤り
労保徴20条1項の確定保険料の特例(メリット制)は、一般保険料に係る確定保険料のほか第一種特別加入保険料については準用されますが、第二種特別加入保険料には準用されません。
解説
労災保険のメリット制は、事業ごとの労災発生率(メリット収支率)に応じて保険料率を上下させる仕組みで、継続事業の一括が行われた場合、指定事業の保険関係成立の日から3保険年度分の収支率を算定します。被一括事業の一括前の保険料・給付は指定事業のメリット収支率の算定基礎には入れません(肢1)。一方、建設の有期事業がメリット制の対象となる基準は確定保険料40万円以上又は請負金額1億1,000万円以上で、40万円未満かつ請負金額が基準未満では対象外です(肢2)。立木伐採の単独有期事業の基準は素材1,000立方メートル以上か確定保険料40万円以上であり、肢3の断定的表現は誤り。確定保険料の特例による還付差額の充当範囲には一般拠出金は含まれず(肢4)、確定保険料特例は第二種特別加入保険料には準用されません(肢5)。したがって正解は1です。
ここがポイント
継続事業の一括時のメリット収支率は「指定事業の保険関係成立日」起算、被一括事業の一括前データは算入しない。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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