令和4年度 社労士試験 問7 労働時間等
労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
労基法40条・規則25条の2の特例事業(商業・接客娯楽業等)の特例措置は『週44時間・1日8時間』までです。週48時間・1日10時間とする本肢は誤りです。
- 2誤り
1か月単位の変形労働時間制を労使協定で導入する場合、所轄労基署長への届出は効力発生要件ではなく、届出義務違反として処罰対象となるにとどまります。届出をしないと効力が発生しないとする本肢は誤りです。
- 3誤り
最高裁(医療法人康心会事件・平成29年7月7日判決)は、年俸に時間外割増賃金を含める合意があっても、通常賃金部分と割増賃金部分が判別できない場合には、その年俸支払で37条所定の割増賃金が支払われたとは言えないと判示しました。本肢はこの判例と逆の結論であり誤りです。
- 4正しい
労基法37条3項の代替休暇は、月60時間を超える時間外労働をさせた月の末日の翌日から2か月以内に与える必要があり、その範囲内で労使協定により具体的な期間を定めます(規則19条の2第1項2号)。本肢は規則の規定どおりで正しい記述です。
- 5誤り
最高裁(白石営林署事件・昭和48年3月2日判決)は、年休権は労基法39条の要件充足により法律上当然に発生し、労働者の請求や使用者の承認を要しないと判示しています。本肢はこの判例と真逆で誤りです。
解説
正解は肢4です。労基法37条3項のいわゆる代替休暇制度は、月60時間を超える時間外労働に対する50%以上の割増賃金部分の支払に代えて有給の休暇を付与する制度で、規則19条の2第1項2号により『60時間を超えた月の末日の翌日から2か月以内』の範囲で労使協定により付与時期を定めます。他の肢は、特例事業は週44時間・1日8時間(肢1)、変形労働時間制の届出は効力要件でない(肢2)、医療法人康心会事件判例は判別性を要件とする(肢3)、白石営林署事件判例は年休権を法律上当然発生とする(肢5)といずれも誤りで、判例知識が複数問われる総合問題です。
ここがポイント
代替休暇は『60時間超の月の末日翌日から2か月以内』で労使協定。判例(康心会・白石営林署)も頻出。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。