令和4年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 やや難

令和4年度 社労士試験 問8 労働安全衛生法(建設業の元方事業者)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和4年度 社会保険労務士試験 試験問題」問8(原文のまま・無改変)

下記に示す事業者が一の場所において行う建設業の事業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この場所では甲社の労働者及び下記乙①社から丙②社までの4社の労働者が作業を行っており、作業が同一の場所において行われることによって生じる労働災害を防止する必要がある。 甲社 鉄骨造のビル建設工事の仕事を行う元方事業者 当該場所において作業を行う労働者数 常時5人 乙①社 甲社から鉄骨組立工事一式を請け負っている事業者 当該場所において作業を行う労働者数 常時10人 乙②社 甲社から壁面工事一式を請け負っている事業者 当該場所において作業を行う労働者数 常時10人 丙①社 乙①社から鉄骨組立作業を請け負っている事業者 当該場所において作業を行う労働者数 常時14人 丙②社 乙②社から壁材取付作業を請け負っている事業者 当該場所において作業を行う労働者数 常時14人

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    鉄骨造のビル建設工事で関係請負人を含む同一場所の労働者数が合計53人と、統括安全衛生責任者選任の基準である50人以上に該当するため、甲社は統括安全衛生責任者を選任しなければなりません(安衛法15条1項、令7条2項1号)。正しい記述で『誤り』ではありません。

  • 2誤り

    統括安全衛生責任者を選任すべき建設業の元方事業者は、元方安全衛生管理者も併せて選任する義務があります(安衛法15条の2)。正しい記述で『誤り』ではありません。

  • 3正しい

    店社安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者を選任しなければならない場合以外で、一定規模(建設業では常時20〜50人未満等)の現場について選任が義務付けられます。本問では統括安全衛生責任者を選任する規模に達しているため、店社安全衛生管理者の選任義務はありません。義務があるとする本肢が誤りです。

  • 4誤り

    特定元方事業者である甲社は、関係請負人(一次・二次以下を問わず)を全て参加させた協議組織を設置・運営しなければなりません(安衛法30条1項1号、規則635条)。正しい記述で『誤り』ではありません。

  • 5誤り

    特定元方事業者である甲社は、関係請負人とその労働者の労働安全衛生法令違反を防ぐため、関係請負人が設置した足場等についても必要な指導を行う義務があります(安衛法30条1項4号)。正しい記述で『誤り』ではありません。

解説

正解は肢3(誤り)です。建設業の元方事業者には、現場の同一場所で就労する労働者数(自社+関係請負人)に応じて段階的に管理体制が義務付けられます。本問では合計53人(5+10+10+14+14)であり、ずい道・橋梁等以外の通常建設業の場合の統括安全衛生責任者選任基準(50人以上)に該当します。統括安全衛生責任者を選任すべき規模では、併せて元方安全衛生管理者を選任します(肢2)。一方、店社安全衛生管理者(肢3)は、統括安全衛生責任者を選任すべき規模に達しない一定規模(20〜50人未満等)の現場に対する管理体制であり、本問のように統括安全衛生責任者選任義務がある現場には店社安全衛生管理者の選任義務はありません。協議組織への全関係請負人参加(肢4)や、関係請負人設置の足場への指導(肢5)も特定元方事業者の義務です。

ここがポイント

建設業の元方事業者の管理体制は人数で切り替わる。50人以上=統括安全衛生責任者+元方安全衛生管理者、20〜50人未満=店社安全衛生管理者。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。