令和5年度 社労士試験 問5 労働契約
労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
14条1項の上限を超える期間を定めても、契約全体が無効になったり「期間の定めのない契約」になったりするのではなく、上限期間(原則3年又は5年)まで短縮されると解されています。期間の定めのない契約となるとする本肢は誤りです。
- 2正しい
単なる福利厚生施設としての社宅供与は15条1項の「労働条件」に含まれないため、その不履行を理由に15条2項の即時解除権を行使することはできません。本肢は正しい記述です。
- 3正しい
労働者の申出に基づく生活資金の貸付で、各事情を総合判断して労働することが条件となっていないことが極めて明白な場合は、前借金相殺を禁ずる17条の適用はありません。本肢は正しい記述です。
- 4正しい
22条に基づく退職時等の証明書の交付請求について、その回数に制限を設ける規定はなく、労働者は必要に応じて何度でも請求できます。本肢は正しい記述です。
- 5正しい
取引先の休業により発注品がなく金融難に陥ったというだけでは、19条・20条にいう「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」には該当しません。本肢は正しい記述です。
解説
誤っているのは肢1です。労基法14条1項の上限を超える期間を定めた労働契約を締結した場合、契約が無効になったり期間の定めのない契約に転化したりするわけではなく、その期間は同項所定の上限期間(原則3年、専門的知識を有する者等は5年)まで短縮されると解されています。したがって「期間の定めのない労働契約となる」とする肢1は誤りです。肢2の福利厚生施設としての社宅、肢3の生活資金貸付と17条、肢4の退職時証明の請求回数、肢5の事業継続不可能の判断は、いずれも正しい取扱いです。
ここがポイント
14条の上限超過契約は無効化されず上限期間に短縮される。20条等の「やむを得ない事由による事業継続不可能」は天災事変に準ずる程度を要し、取引先休業や金融難だけでは該当しない。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和5年度(2023年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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