令和5年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 やや難

令和5年度 社労士試験 問6 賃金(賃金支払の原則・休業手当)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和5年度 社会保険労務士試験 試験問題」問6(原文のまま・無改変)

労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    直接払の原則は、親権者その他の法定代理人への支払も禁止します(法定代理人は「使者」ではなく独立の地位に立つため)。一方、労働者本人の使者に支払うことは違反しません。法定代理人への支払を適法とする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    過半数代表者には、選出手続の要件のほか「監督又は管理の地位にある者でないこと」(労基法41条2号該当者でないこと)という要件も必要です。手続要件さえ満たせばよいとする本肢は誤りです。

  • 3正しい

    一定期日払の原則の趣旨は支払日が不安定にならないことにあり、所定支払日が休日に当たる場合に支払日を繰り上げる定めも、繰り下げる定めも、いずれも同原則に違反しません。本肢が正しい記述です。

  • 4誤り

    非常時払(25条)として支払期日前に支払う既往の労働に対する賃金についても、賃金支払の5原則を定める24条の規定の適用は排除されません。24条の適用がないとする本肢は誤りです。

  • 5誤り

    判例(ノース・ウエスト航空事件・最判昭62.7.17)は、ストライキの結果生じた不参加労働者の休業について、使用者側に起因する経営・管理上の障害とはいえず26条の「使用者の責に帰すべき事由」に当たらないとしました。請求できるとする本肢は判例に反し誤りです。

解説

正解は肢3です。一定期日払の原則は、支払日が月によって変動するような不安定さを排除する趣旨であり、所定支払日が休日に当たる場合に支払日を繰り上げる定めも繰り下げる定めも、いずれも同原則に違反しません。肢1は法定代理人への支払を適法とする点(直接払違反になる)、肢2は過半数代表者の管理監督者除外要件を欠く点、肢4は非常時払にも24条が適用される点、肢5はノース・ウエスト航空事件に反する点が、それぞれ誤りです。

ここがポイント

直接払の原則は法定代理人への支払も禁止する(使者への支払は可)。過半数代表者は手続要件に加え管理監督者でないことが必要。ストライキに起因する不参加者の休業は26条の使用者の責に帰すべき事由に当たらない(ノース・ウエスト航空事件)。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和5年度(2023年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。