令和5年度 社労士試験 問7 労働時間
労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
フレックスタイム制では1日単位の法定労働時間の概念がないため、時間外・休日労働協定で1日について延長できる時間を定める必要はなく、1か月及び1年について協定すれば足ります。本肢は正しい記述です。
- 2正しい
36協定で時間外・休日労働をさせる業務の種類を定めるに当たっては、業務の区分を細分化して業務の範囲を明確にしなければならないとされています(指針)。本肢は正しい記述です。
- 3誤り
38条1項により事業場を異にする場合に通算されるのは「労働時間」(32条・40条の法定労働時間)であり、休憩に関する34条の規定は通算の対象ではありません。休憩を通算するとする本肢は誤りです。
- 4正しい
判例(弘前電報電話局事件・最判昭62.7.10)は、代替勤務者の配置が客観的に可能であるのに使用者が配慮しないため配置されないときは、事業の正常な運営を妨げる場合に当たるとはいえないとしています。本肢は正しい記述です。
- 5正しい
労働時間の適正把握ガイドラインでは、原則として使用者による現認、又はタイムカード・ICカード・PCの使用記録等の客観的記録を基礎として確認・記録する方法によることとされています。本肢は正しい記述です。
解説
誤っているのは肢3です。労基法38条1項は「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定めますが、通算の対象となるのは32条・40条の法定労働時間であり、34条の休憩に関する規定は含まれません。したがって休憩に関する規定の適用についても労働時間を通算するとする肢3は誤りです。肢1のフレックスタイム制の36協定、肢2の業務区分の細分化、肢4の年休と事業の正常な運営(弘前電報電話局事件)、肢5の労働時間把握ガイドラインは、いずれも正しい記述です。
ここがポイント
38条1項の事業場を異にする労働時間の通算は『労働時間』が対象で、休憩・休日は通算しない。年休の時季変更権の『事業の正常な運営を妨げる場合』は代替要員配置の配慮可能性で判断(弘前電報電話局事件)。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和5年度(2023年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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