令和5年度 社労士試験 問55 遺族厚生年金
遺族厚生年金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
遺族厚生年金の失権事由(厚年法63条)に姻族関係終了の届出は含まれていません。配偶者の場合、婚姻・直系血族等以外の養子縁組等が失権事由であり、姻族関係終了届だけでは失権しないため、本肢は正しい記述です。
- 2誤り
妻甲が遺族厚生年金と障害厚生年金のいずれを選択受給しても、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する間は子の遺族厚生年金は支給停止のままです(厚年法66条)。甲が障害厚生年金を選んでも子に支給されるようにはならず、本肢が誤りです。
- 3正しい
船舶の行方不明により乗船者の生死が3か月間分からないときは、遺族厚生年金の適用上、船舶が行方不明となった日に死亡したものと推定されます(厚年法59条の2)。本肢は正しい記述です。
- 4正しい
子に対する遺族厚生年金が支給停止されるのは『生計を同じくするその子の父又は母』があるときですが、ここでの父母は死亡した者の配偶者等を指します。離別した元配偶者である母と同居しても支給停止とはならず、本肢は正しい記述です。
- 5正しい
生計維持の認定では、年収850万円(年間所得655.5万円)未満であれば生計維持要件を満たすとされ、現に800万円でも将来850万円を超える見込みであれば認定されます。本肢は正しい記述です。
解説
正解(誤り)は肢2です。遺族厚生年金は配偶者と子が同順位(第1順位)ですが、配偶者が受給権を有する間は子の遺族厚生年金は支給停止されます(厚年法66条)。妻甲が遺族厚生年金に代えて障害厚生年金を選択受給しても、甲の遺族厚生年金の受給権自体は消滅せず、子の支給停止は解除されません。肢1の姻族関係終了届は失権事由でないこと、肢3の船舶行方不明による死亡推定、肢4の支給停止対象となる父母の意味、肢5の生計維持認定基準(おおむね年収850万円未満)はいずれも正しい知識です。
ここがポイント
遺族厚生年金で配偶者が受給権を有する間は子の分は支給停止。配偶者が他年金を選択受給しても受給権は残り、子の支給停止は解除されない。生計維持の認定基準は年収おおむね850万円未満。
本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和5年度(2023年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。