令和5年度 社労士厚生年金保険法難易度 難

令和5年度 社労士試験 問59 年金額改定・在職定時改定・経過的加算

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和5年度 社会保険労務士試験 試験問題」問59(原文のまま・無改変)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    経過的加算(差額加算)の計算では、20歳前・60歳以後の厚生年金加入期間も老齢厚生年金の定額部分相当の計算に反映されますが、老齢基礎年金に反映される期間との差額として算定されるため、加入期間の取り方が異なっても結果として差が生じない場合があります。本肢のように一律に額が異なるとは言い切れず、誤りです。

  • 2誤り

    繰下げ加算額の計算では、在職老齢年金の仕組みにより支給停止される額は除いて(停止されなかった部分を基礎に)増額が計算されます。停止額を勘案して加算するという記述は不正確であり、誤りです。

  • 3誤り

    70歳到達後に請求し繰下げの申出をしない場合でも、令和5年4月施行のいわゆる『5年前みなし繰下げ』により、請求の5年前に繰下げ申出があったものとみなされ、繰下げ加算額が加算されます。加算されないとする点が誤りです。

  • 4正しい

    在職定時改定(厚年法43条2項)において、基準日が資格喪失日から再取得日までの間に到来し、その間が1か月以内であるときは、基準日の属する月前の被保険者期間を計算の基礎として、基準日の属する月の翌月から年金額を改定します。本肢が正しい記述です。

  • 5誤り

    退職改定(厚年法43条3項)では、資格喪失後1か月を経過した時点で、資格を喪失した月の前月までの被保険者期間を基礎に額を改定します。『喪失した月以前』とするのは誤りで、喪失月は計算の基礎に含めません。

解説

正解は肢4です。在職定時改定(厚年法43条2項)では、基準日(毎年9月1日)が資格喪失から再取得までの間に到来し、かつその間が1か月以内であれば、基準日の属する月前の被保険者期間を計算の基礎として基準日の属する月の翌月から改定します。令和5年4月以降は70歳以後に請求して繰下げ申出をしない場合でも5年前みなし繰下げにより繰下げ加算額が付く(肢3は誤り)、退職改定は喪失月の前月までを基礎とする(肢5は『喪失した月以前』が誤り)など、改定時期と計算基礎の細かな区別が問われる難問です。

ここがポイント

在職定時改定の基準日は毎年9月1日。退職改定は資格喪失月の前月までを基礎に1か月経過で改定。70歳以後請求でも5年前みなし繰下げで繰下げ加算が付く(令和5年4月〜)。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和5年度(2023年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。