令和6年度 社労士労働者災害補償保険法難易度 難

令和6年度 社労士試験 問12 通勤災害

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和6年度 社会保険労務士試験 試験問題」問12(原文のまま・無改変)

通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    出勤を終え職場に到着・打刻した後にフォグライト消し忘れのため駐車場へ引き返す行為は、通勤の延長としての移動と評価されうるものであり、判例・裁判例では通勤災害と認められた事例があります。一律に認められないとする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    配偶者の勤務先を経由するために通常の経路を一部走行した部分は、合理的な経路の範囲内と評価され、その移動中の災害は通勤災害と認められる余地があります。一律に認められないとする本肢は誤りです。

  • 3誤り

    配偶者の看護のため病院に寝泊まりしていた場合でも、当該病院がその間の生活の本拠(住居)と認められ、そこから合理的経路・方法で逸脱中断なく出勤する途中の災害は通勤災害と認められます。認められないとする本肢は誤りです。

  • 4正しい

    事業場施設内の階段での負傷は、通勤の途中ではなく事業場施設内での災害であり、通勤災害ではありません(業務災害該当性が問題となる)。通勤災害とは認められないとする本肢は正しい記述です。

  • 5誤り

    通勤途中に急性心不全等で死亡しても、それが通勤に内在する危険が現実化したもの(通勤による負傷等)でなければ通勤災害とは認められません。本人の基礎疾患による発症は通勤との相当因果関係を欠き、通勤災害と認められないため本肢は誤りです。

解説

正解は肢4です。退勤時にタイムカードを打刻した後でも、事業場施設内の階段での転倒による負傷は、住居と就業の場所との間の『移動』の途中で生じたものとはいえず、事業場施設内の災害として通勤災害には該当しません。肢1は到着後に駐車場へ引き返す移動が通勤の延長と評価されうる、肢2は配偶者の勤務先経由の経路が合理的経路の範囲内と評価されうる、肢3は寝泊まり先の病院が住居と認められ通勤性が肯定されうる、肢5は基礎疾患による発症で通勤との相当因果関係を欠くため、それぞれ通勤災害と認められないとする結論が誤りです。

ここがポイント

通勤災害は『住居と就業の場所等の間の合理的経路・方法による移動』に内在する危険の現実化が必要。事業場施設内での災害は通勤災害ではない。基礎疾患の発症は通勤との因果関係を欠く。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。