令和6年度 社労士労働者災害補償保険法難易度 難個数問題

令和6年度 社労士試験 問13 精神障害の認定基準

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和6年度 社会保険労務士試験 試験問題」問13(原文のまま・無改変)

厚生労働省労働基準局長通知「心理的負荷による精神障害の認定基準」(令和 5 年 9 月 1 日付け基発 0901 第 2 号。以下本問において「認定基準」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 なお、本問において「対象疾病」とは「認定基準で対象とする疾病」のことである。 ア 対象疾病には、統合失調症や気分障害等のほか、頭部外傷等の器質性脳疾患に付随する精神障害、及びアルコールや薬物等による精神障害も含まれる。 イ 対象疾病を発病して治療が必要な状態にある者について、認定基準別表 1 の特別な出来事があり、その後おおむね 6 か月以内に対象疾病が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合には、当該特別な出来事による心理的負荷が悪化の原因であると推認し、当該悪化した部分について業務起因性を認める。 ウ 対象疾病を発病して治療が必要な状態にある者について、認定基準別表 1 の特別な出来事がない場合には、対象疾病の悪化の前おおむね 6 か月以内の業務による強い心理的負荷によって当該対象疾病が自然経過を超えて著しく悪化したものと精神医学的に判断されたとしても、当該悪化した部分について業務起因性は認められない。 エ 対象疾病の症状が現れなくなった又は症状が改善し安定した状態が一定期間継続している場合や、社会復帰を目指して行ったリハビリテーション療法等を終えた場合であって、通常の就労が可能な状態に至ったときには、投薬等を継続していても通常は治ゆ(症状固定)の状態にあると考えられるところ、対象疾病がいったん治ゆ(症状固定)した後において再びその治療が必要な状態が生じた場合は、新たな疾病と取り扱う。 オ 業務によりうつ病を発病したと認められる者が自殺を図り死亡した場合には、当該疾病によって正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、あるいは自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害されている状態に至ったものと推定し、当該死亡につき業務起因性を認める。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    正しいものは三つであり、一つとする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    正しいものは三つであり、二つとする本肢は誤りです。

  • 3正しい

    ア・エ・オが正しく、イ(特別な出来事ではなく悪化の要件を満たせば認める/設問は『特別な出来事』に限定し誤り)とウ(令和 5 年改正で特別な出来事がなくても強い心理的負荷による著しい悪化は業務起因性が認められうる・誤り)が誤りであるため、三つとする本肢が正しい記述(=正解)です。

  • 4誤り

    イとウが誤りであるため、四つとする本肢は誤りです。

  • 5誤り

    イとウが誤りであるため、五つとする本肢は誤りです。

解説

正解は肢3(三つ)です。アは正しく、対象疾病には統合失調症・気分障害等のほか、器質性脳疾患に付随する精神障害やアルコール・薬物等による精神障害も含まれます。エは正しく、症状が安定し通常就労が可能な状態に至れば投薬継続中でも治ゆ(症状固定)と扱われ、その後再び治療を要する状態が生じれば新たな疾病として取り扱われます。オも正しく、業務によりうつ病を発病した者の自殺は、正常な認識・行為選択能力等が著しく阻害された状態と推定し業務起因性が認められます。一方、令和 5 年改正後の認定基準では、既発病者の悪化について、特別な出来事がなくても悪化前おおむね 6 か月以内の業務による強い心理的負荷で著しく悪化したと判断されれば悪化部分の業務起因性が認められうるため、イ(特別な出来事に限定)とウ(強い心理的負荷でも認められないとする)はいずれも誤りです。したがって正しいのはア・エ・オの三つです。

ここがポイント

令和 5 年改正で、既発病者の『悪化』は『特別な出来事』がなくても、悪化前おおむね 6 か月以内の業務による強い心理的負荷で著しく悪化したと認められれば悪化部分の業務起因性が肯定されうる。自殺は故意の不支給除外の例外として業務起因性を推定。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。