令和6年度 社労士試験 問14 複数事業労働者の保険給付
複数事業労働者(事業主が同一人でない 2 以上の事業に使用される労働者)の業務災害に係る保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 なお、A・Bにおいて、休業補償給付は、①「療養のため」②「労働することができない」ために③「賃金を受けない日」という三要件を満たした日の第 4 日目から支給されるものである(労災保険法第 14 条第 1 項本文)。 また、C・Dにおいて、複数事業労働者につき、業務災害が発生した事業場を「災害発生事業場」と、それ以外の事業場を「非災害発生事業場」といい、いずれにおいても、当該労働者の離職時の賃金が不明である場合は考慮しない。
肢ごとの解説
- 1正しい
複数事業労働者が一方の事業場で就労していても、他方の事業場において当該業務災害による通院等のため所定労働時間の全部又は一部について労働できない場合は、「労働することができない」に該当すると認められることがあります。本肢は正しい記述です。
- 2正しい
一部の事業場で年休等により平均賃金相当額の 60%以上の賃金を受けても、他の事業場で無給休業していれば、その事業場との関係で「賃金を受けない日」に該当しうるとされます。複数事業労働者は事業場ごとに要件を判断するため、本肢は正しい記述です。
- 3正しい
遅発性疾病で診断確定時に災害発生事業場を離職している場合、当該事業場の平均賃金相当額は離職日(賃金締切日があればその直前の締切日)以前 3 か月間の賃金で算定し、診断確定日までの賃金水準の変動を考慮して算定します。本肢は正しい記述です。
- 4誤り
非災害発生事業場に係る平均賃金相当額についても、診断確定時に当該事業場を離職している場合は、その離職日を基準に離職日以前 3 か月間の賃金により算定し賃金水準の変動を考慮するのが取扱いです。診断確定日から 3 か月前を始期として診断確定日までの賃金で算定するとする本肢は誤り(=本問の正解)です。
- 5正しい
改正法(令和 2 年法律第 14 号)の施行日(令和 2 年 9 月 1 日)後に発生した傷病等については、原因発生が施行日前であっても、傷病等発生時に 2 以上の事業に使用されていれば給付基礎日額相当額を合算します。本肢は正しい記述です。
解説
正解は肢4です。遅発性疾病で診断確定時に既に当該事業場を離職している場合、災害発生事業場・非災害発生事業場のいずれについても、離職日を基準に離職日以前 3 か月間の賃金で平均賃金相当額を算定し、その後診断確定日までの賃金水準の変動を考慮するのが取扱いです。肢4は非災害発生事業場について、離職の有無にかかわらず診断確定日から遡る 3 か月間の賃金で算定するとしており、離職を基準とする原則に反するため誤りです。肢1・肢2は事業場ごとに支給要件を判断する複数事業労働者の特徴、肢3は遅発性疾病の算定方法、肢5は改正法の合算の起点をそれぞれ正しく述べています。
ここがポイント
複数事業労働者は休業補償の三要件を『事業場ごとに』判断する。遅発性疾病で離職後に診断確定したときの給付基礎日額は『離職日基準で 3 か月+以後の賃金変動考慮』。改正法は施行日後発生分から合算。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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