令和6年度 社労士試験 問17 保険給付(支給制限・費用徴収等)
労災保険給付に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 労働者が、重大な過失により、負傷、疾病、障害若しくは死亡又はこれらの原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 イ 労働者を重大な過失により死亡させた遺族補償給付の受給資格者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。 ウ 労働者が、懲役、禁固若しくは拘留の刑の執行のため刑事施設に拘置されている場合には、休業補償給付は行わない。 エ 労働者が退職したときは、保険給付を受ける権利は消滅する。 オ 偽りその他不正の手段により労働者が保険給付を受けたときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を当該労働者を使用する事業主から徴収することができる。
肢ごとの解説
- 1誤り
アは正しいですが、イは『重大な過失』ではなく『故意』により労働者を死亡させた場合に受給資格を欠く(労災保険法 16 条の 9)ため誤りであり、本肢は誤りです。
- 2正しい
ア(重大な過失による傷病等は支給制限・労災保険法 12 条の 2 の 2 第 2 項)とウ(刑事施設に拘置されている期間は休業補償給付を行わない・施行規則 12 条の 2)がいずれも正しく、本肢が正しい組合せ(=正解)です。
- 3誤り
イは『故意』が要件で『重大な過失』とする点が誤り、エは労働者の退職によって保険給付を受ける権利は消滅しない(労災保険法 12 条の 5)ため誤りであり、本肢は誤りです。
- 4誤り
ウは正しいですが、オは不正受給の費用徴収は『当該労働者から』徴収するのが原則であり(事業主が虚偽の証明をした場合に連帯責任を負うにとどまる)、『事業主から』徴収するとする点が誤りであり、本肢は誤りです。
- 5誤り
エ・オはいずれも誤りであり、本肢は誤りです。
解説
正解は肢2(アとウ)です。アは正しく、労働者が重大な過失により傷病等又はその原因事故を生じさせたときは、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができます(労災保険法 12 条の 2 の 2 第 2 項)。ウも正しく、刑事施設等に拘置されている期間は休業補償給付を行いません(施行規則 12 条の 2)。一方、イは受給資格を失うのは『故意』に労働者を死亡させた場合であって『重大な過失』ではない点で誤り、エは保険給付を受ける権利が労働者の退職によって変更されない(労災保険法 12 条の 5)点で誤り、オは不正受給の費用徴収は原則として不正受給をした労働者本人から徴収する(事業主が虚偽証明をした場合に連帯責任を負う)点で誤りです。
ここがポイント
支給制限は『故意=給付せず/故意の犯罪行為・重大な過失=全部又は一部行わないことができる』。退職で給付を受ける権利は消滅しない(12 条の 5)。不正受給の費用徴収は本人から(虚偽証明の事業主は連帯)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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