令和6年度 社労士試験 問25 不正受給
雇用保険の不正受給に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 基本手当の受給資格者が自己の労働によって収入を得た場合、当該収入が基本手当の減額の対象とならない額であっても、これを届け出なければ不正の行為として取り扱われる。 イ 偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した基本手当の全部又は一部の返還を命ずるとともに、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた基本手当の額の 3 倍に相当する額の金額を納付することを命ずることができる。 ウ 偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して過去適法に受給した基本手当の額を含めた基本手当の全部又は一部を返還することを命ずることができる。 エ 雇用保険法施行規則第 120 条にいう雇用関係助成金関係規定にかかわらず、過去 5 年以内に偽りその他不正の行為により雇用調整助成金の支給を受けた事業主には、雇用関係助成金を支給しない。 オ 偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者にやむを得ない理由がある場合、基本手当の全部又は一部を支給することができる。
肢ごとの解説
- 1誤り
アは正しいものの、イは「3 倍に相当する額」の納付を当然に命ずるかのように読める点で不正確であり、組合せ(アとイ)は正解ではありません(返還命令に加え、不正受給額相当額以下の納付命令、合わせて最大 2 倍という枠組みです)。
- 2誤り
アは正しいですが、ウは「過去適法に受給した基本手当の額を含めた」全部の返還を命じ得るとする点で誤りです(返還の対象は不正受給に係る部分であり、適法受給分は含みません)。よって組合せ(アとウ)は正解ではありません。
- 3誤り
エは正しいですが、イは不正確であり、組合せ(イとエ)は正解になりません。
- 4誤り
オは正しいですが、ウは適法受給分まで返還対象に含める点で誤りであり、組合せ(ウとオ)は正解になりません。
- 5正しい
エ(過去 5 年以内に不正受給した事業主への雇用関係助成金の不支給)とオ(やむを得ない理由がある場合に基本手当の全部又は一部を支給できる裁量)はいずれも正しく、組合せ(エとオ)が正解です。
解説
不正受給に関する論点整理が問われています。ア(減額対象とならない収入でも未届けなら不正行為)は正しいです。イについて、政府は不正受給した基本手当の返還を命じることに加え、別途、不正受給額に相当する額以下の納付を命じることができ、合わせて最大で受給額の 2 倍を徴収し得ますが、「3 倍を納付させる」という表現は不正確です。ウは、返還命令の対象が不正受給に係る部分であり、過去適法に受給した分は含まれないため誤りです。エは、不正受給した事業主に対する助成金不支給の措置として正しく、オは、やむを得ない理由がある場合に基本手当の全部又は一部を支給できるとする裁量規定として正しい記述です。したがって正しいものはエとオで、肢5が正解です。返還+納付の枠組み(最大 2 倍)と、適法受給分は返還対象外という 2 点が要注意です。
ここがポイント
不正受給は返還命令+納付命令(合計で最大2倍相当)。適法受給分は返還対象外。やむを得ない理由がある場合は支給可。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。