令和6年度 社労士労務管理その他の労働に関する一般常識難易度 標準

令和6年度 社労士試験 問33 労働契約法等

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和6年度 社会保険労務士試験 試験問題」問33(原文のまま・無改変)

労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    労働契約は『使用されて労働すること』と『賃金を支払うこと』についての合意で成立し、労働条件を詳細に定めていなくても成立します。詳細な労働条件を成立要件とする本肢は誤りです。

  • 2正しい

    労基法第 106 条の周知は施行規則第 52 条の 2 の法定方法によることを要しますが、労働契約法第 7 条の就業規則の効力要件としての「周知」は法定方法に限られず、労働者が知り得る状態に置かれていたかを実質的に判断するとされており、正しい記述です。

  • 3誤り

    労基法第 89 条・第 90 条の手続履行は労働契約法第 10 条の効果発生の要件ではありませんが、これらの遵守状況は変更の合理性判断において考慮し得るとされています。『考慮してはならない』とする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    労働契約法第 17 条第 1 項の有期労働契約の期間途中解雇における「やむを得ない事由」は、期間の定めのない契約の解雇権濫用法理よりも『狭く(厳しく)』解されます。『広い』とする本肢は逆であり誤りです。

  • 5誤り

    無期転換は、通算 5 年を超える契約を締結した労働者が無期転換の『申込みをすることができ』、使用者がこれを『承諾したものとみなす』仕組みです。使用者が申込みをしたものとみなすとする本肢は主体が逆で誤りです。

解説

労働契約法の基本論点が問われています。労働契約は使用従属と賃金支払の合意で成立し、詳細な労働条件は成立要件ではありません(肢1誤り)。無期転換ルール(第 18 条)は、通算 5 年超で労働者が無期転換の申込みをでき、使用者が承諾したものとみなされる制度であり、使用者が申し込むのではありません(肢5誤り)。有期契約の期間途中解雇(第 17 条)の『やむを得ない事由』は通常の解雇よりも厳格に解されるため、『広い』とする肢4は逆です。第 89 条・90 条の遵守状況は第 10 条の合理性判断で考慮し得るため肢3も誤りです。正しいのは肢2で、労働契約法第 7 条の『周知』は法定方法に限られず実質的に判断されます。労基法上の周知(方法限定)と労契法上の周知(実質判断)の違いが核心です。

ここがポイント

労契法7条の周知は法定方法に限られず実質判断。無期転換は労働者が申込み・使用者が承諾したとみなす。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。