令和6年度 社労士試験 問72 障害等級の繰上げ・年金の支給期間・未支給・遺族補償年金
次の文中の【 】の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1 労災保険法施行規則第 14 条第 1 項は、「障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級は、別表第 1 に定めるところによる。」と規定し、同条第 2 項は、「別表第 1 に掲げる身体障害が 2 以上ある場合には、重い方の身体障害の該当する障害等級による。」と規定するが、同条第 3 項柱書きは、「第【A】級以上に該当する身体障害が 2 以上あるとき」は「前 2 項の規定による障害等級」を「 2 級」繰り上げた等級(同項第 2 号)、「第【B】級以上に該当する身体障害が 2 以上あるとき」は「前 2 項の規定による障害等級」を「 3 級」繰り上げた等級(同項第 3 号)によるとする。 2 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた【C】から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。また、保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、【D】の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。 3 最高裁判所は、遺族補償年金に関して次のように判示した。「労災保険法に基づく保険給付は、その制度の趣旨目的に従い、特定の損害について必要額を塡補するために支給されるものであり、遺族補償年金は、労働者の死亡による遺族の【E】を塡補することを目的とするものであって(労災保険法 1 条、16 条の 2 から 16 条の 4 まで)、その塡補の対象とする損害は、被害者の死亡による逸失利益等の消極損害と同性質であり、かつ、相互補完性があるものと解される。〔…(略)…〕したがって、被害者が不法行為によって死亡した場合において、その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受け、又は支給を受けることが確定したときは、損害賠償額を算定するに当たり、上記の遺族補償年金につき、その塡補の対象となる【E】による損害と同性質であり、かつ、相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で、損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。」
語群
- 1. 3
- 2. 5
- 3. 6
- 4. 7
- 5. 8
- 6. 10
- 7. 12
- 8. 13
- 9. 事業主
- 10. 自己
- 11. 死亡した者
- 12. 生活基盤の喪失
- 13. 精神的損害
- 14. 世帯主
- 15. 相続財産の喪失
- 16. 月
- 17. 月の翌月
- 18. 日
- 19. 日の翌日
- 20. 被扶養利益の喪失
空欄の正解
- A5. 8
障害等級の併合繰上げでは、第8級以上に該当する身体障害が2以上あるときに2級繰り上げると規定されており、第8級が2級繰上げの基準ラインとなります。
- B2. 5
第5級以上に該当する身体障害が2以上あるときは3級繰り上げるとされ、より重い等級が複数あるほど繰上げ幅が大きくなる仕組みです。
- C17. 月の翌月
労災保険法9条1項により、年金たる保険給付の支給は支給事由が生じた月の翌月から始まり、権利消滅の月で終わる月単位の規定です。
- D10. 自己
未支給の保険給付は、生計を同じくしていた遺族が自己の名でその支給を請求することができるとされ、相続とは別個の固有の請求権です。
- E20. 被扶養利益の喪失
最高裁は、遺族補償年金は遺族の被扶養利益の喪失を塡補するもので、逸失利益等の消極損害と同性質・相互補完性があると判示しました。
解説
労災保険の障害等級の併合繰上げ、年金の支給期間、未支給給付、遺族補償年金の損益相殺をまとめて問う問題です。AとBは併合繰上げの基準で、第13級以上で1級・第8級以上で2級・第5級以上で3級繰り上げるという3段階を正確に区別する必要があります。Cは年金が支給事由発生月の翌月から支給される月単位の原則、Dは未支給給付を遺族が自己の名で請求できる固有の権利であることを確認させます。Eは遺族補償年金の損益相殺に関する最高裁判例で、塡補対象が被扶養利益の喪失である点が結論を導きます。
ここがポイント
障害等級の繰上げは13級以上で1級・8級以上で2級・5級以上で3級。遺族補償年金は被扶養利益の喪失の塡補という判例の位置づけを押さえる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。