令和6年度 社労士試験 問74 改善基準告示・女性雇用者割合・労働協約の一般的拘束力・産後解雇
次の文中の【 】の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。なお、 2 については「令和 5 年版厚生労働白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書による用語及び統計等を利用している。
1 自動車運転者は、他の産業の労働者に比べて長時間労働の実態にあることから、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第 7 号。以下「改善基準告示」という。)において、全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい【A】及び運転時間等の基準を設け、労働条件の改善を図ってきた。こうした中、過労死等の防止の観点から、労働政策審議会において改善基準告示の見直しの検討を行い、2022(令和 4 )年 12 月にその改正を行った。 2 総務省統計局「労働力調査(基本集計)」によると、2022(令和 4 )年の女性の雇用者数は 2,765 万人で、雇用者総数に占める女性の割合は【B】である。 3 最高裁判所は、労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益である場合における労働協約の一般的拘束力が問題となった事件において、次のように判示した。「労働協約には、労働組合法 17 条により、一の工場事業場の 4 分の 3 以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の【C】的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められている。ところで、同条の適用に当たっては、右労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益とみられる場合であっても、そのことだけで右の不利益部分についてはその効力を未組織の同種労働者に対して及ぼし得ないものと解するのは相当でない。けだし、同条は、その文言上、同条に基づき労働協約の【C】的効力が同種労働者にも及ぶ範囲について何らの限定もしていない上、労働協約の締結に当たっては、その時々の社会的経済的条件を考慮して、総合的に労働条件を定めていくのが通常であるから、その一部をとらえて有利、不利をいうことは適当でないからである。また、右規定の趣旨は、主として一の事業場の 4 分の 3 以上の同種労働者に適用される労働協約上の労働条件によって当該事業場の労働条件を統一し、労働組合の団結権の維持強化と当該事業場における公正妥当な労働条件の実現を図ることにあると解されるから、その趣旨からしても、未組織の同種労働者の労働条件が一部有利なものであることの故に、労働協約の【C】的効力がこれに及ばないとするのは相当でない。しかしながら他面、未組織労働者は、労働組合の意思決定に関与する立場になく、また逆に、労働組合は、未組織労働者の労働条件を改善し、その他の利益を擁護するために活動する立場にないことからすると、労働協約によって特定の未組織労働者にもたらされる不利益の程度・内容、労働協約が締結されるに至った経緯、当該労働者が労働組合の組合員資格を認められているかどうか等に照らし、当該労働協約を特定の未組織労働者に適用することが【D】と認められる特段の事情があるときは、労働協約の【C】的効力を当該労働者に及ぼすことはできないと解するのが相当である。」 4 男女雇用機会均等法第 9 条第 4 項本文は、「妊娠中の女性労働者及び出産後【E】を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。」と定めている。
語群
- 1. 25.8 %
- 2. 35.8 %
- 3. 45.8 %
- 4. 55.8 %
- 5. 30 日
- 6. 8 週間
- 7. 6 か月
- 8. 1 年
- 9. 著しく不合理である
- 10. 一部の労働者を殊更不利益に取り扱うことを目的としたものである
- 11. 規範
- 12. 客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない
- 13. 強行
- 14. 拘束時間、休息期間
- 15. 拘束時間、総実労働時間
- 16. 債務
- 17. 直律
- 18. 手待時間、休息期間
- 19. 手待時間、総実労働時間
- 20. 労働協約の目的を逸脱したものである
空欄の正解
- A14. 拘束時間、休息期間
改善基準告示は、労基法では規制しにくい拘束時間(始業から終業までの時間)と休息期間(勤務終了から次の勤務開始までの時間)、運転時間等の基準を定めて自動車運転者を保護します。
- B3. 45.8 %
令和5年版厚生労働白書(労働力調査)によると、2022年の雇用者総数に占める女性の割合は45.8%で、女性雇用者数2,765万人に対応する数値です。
- C11. 規範
労働組合法17条の一般的拘束力により未組織労働者にも及ぶのは労働協約の規範的効力であり、朝日火災海上保険(高田)事件判決でもこの語が用いられています。
- D9. 著しく不合理である
最高裁は、未組織労働者への協約適用が著しく不合理であると認められる特段の事情があるときは、規範的効力を及ぼすことはできないと判示しました。
- E8. 1 年
均等法9条4項は、妊娠中及び出産後1年を経過しない女性に対してなされた解雇を原則無効とし、事業主が妊娠等を理由としない解雇であることを証明した場合を除きます。
解説
労働一般の選択式で、改善基準告示・統計・判例・均等法を横断的に問う問題です。Aは改善基準告示の柱である拘束時間と休息期間という用語の正確さを要し、手待時間や総実労働時間との混同を避ける必要があります。Bは令和5年版厚生労働白書の女性雇用者割合(45.8%)という統計知識です。CとDは朝日火災海上保険(高田)事件の最高裁判例で、一般的拘束力で及ぶのが規範的効力であること、及び協約適用が著しく不合理である特段の事情があれば効力が及ばないことを確認させます。Eは均等法による産後1年間の解雇無効の規定です。
ここがポイント
改善基準告示の柱は拘束時間と休息期間。一般的拘束力で及ぶのは規範的効力。均等法の産後解雇無効期間は出産後1年。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。