令和6年度 社労士試験 問77 国庫負担・標準賞与額の上限・差押禁止の例外・遺族厚生年金・障害年金の改定請求
次の文中の【 】の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1 厚生年金保険法第 80 条第 2 項の規定によると、国庫は、毎年度、予算の範囲内で、厚生年金保険事業の事務(基礎年金拠出金の負担に関する事務を含む。)の執行(実施機関(厚生労働大臣を除く。)によるものを除く。)に要する【A】を負担するものとされている。 2 実施機関は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに 1,000 円未満の端数を生じたときはこれを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定するが、当該標準賞与額が【B】(標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは政令で定める額)を超えるときは、これを【B】とする。 3 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、【C】を受ける権利を国税滞納処分により差し押える場合は、この限りでない。 4 厚生年金保険法第 58 条第 1 項第 2 号の規定により、厚生年金保険の被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により【D】を経過する日前に死亡したときは、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。ただし、死亡した者が遺族厚生年金に係る保険料納付要件を満たしていない場合は、この限りでない。 5 甲(66 歳)は 35 歳のときに障害等級 3 級に該当する程度の障害の状態にあると認定され、障害等級 3 級の障害厚生年金の受給を開始した。その後も障害の程度に変化はなく、また、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額が障害等級 3 級の障害厚生年金の年金額を下回るため、65 歳以降も障害厚生年金を受給している。一方、乙(66 歳)は 35 歳のときに障害等級 2 級に該当する程度の障害の状態にあると認定され、障害等級 2 級の障害基礎年金と障害厚生年金の受給を開始した。しかし、40 歳時点で障害の程度が軽減し、障害等級 3 級の障害厚生年金を受給することになった。その後、障害の程度に変化はないが、65 歳以降は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給している。今後、甲と乙の障害の程度が増進した場合、障害年金の額の改定請求は、【E】。
語群
- 1. 100 万円
- 2. 150 万円
- 3. 200 万円
- 4. 250 万円
- 5. 遺族厚生年金
- 6. 甲のみが行うことができる
- 7. 甲も乙も行うことができない
- 8. 甲も乙も行うことができる
- 9. 乙のみが行うことができる
- 10. 障害厚生年金
- 11. 障害手当金
- 12. 脱退一時金
- 13. 当該初診日から起算して 3 年
- 14. 当該初診日から起算して 5 年
- 15. 被保険者の資格を喪失した日から起算して 3 年
- 16. 被保険者の資格を喪失した日から起算して 5 年
- 17. 費用
- 18. 費用の 2 分の 1
- 19. 費用の 3 分の 1
- 20. 費用の 4 分の 3
空欄の正解
- A17. 費用
厚年法80条2項により、国庫は厚生年金保険事業の事務の執行に要する費用(全額)を予算の範囲内で負担するもので、給付費用とは異なり事務費は全部が対象です。
- B2. 150 万円
厚生年金保険の標準賞与額の上限は1か月あたり150万円であり、これを超える賞与額は150万円として標準賞与額が決定されます。
- C12. 脱退一時金
保険給付を受ける権利は差押禁止が原則ですが、脱退一時金を受ける権利については国税滞納処分による差押えが例外的に認められています。
- D14. 当該初診日から起算して 5 年
厚年法58条1項2号の遺族厚生年金は、資格喪失後、被保険者期間中に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡した場合に支給されます。
- E9. 乙のみが行うことができる
甲は65歳以降も障害厚生年金(3級)を選択受給中で額改定請求が可能ですが、乙は65歳以降に老齢給付を選択し障害給付を受けていないため、乙のみが行うことができるとはならず、ここでは選択受給の状態の差から乙が請求可能と整理されます。
解説
厚生年金保険法の選択式で、国庫負担・標準賞与額の上限・差押禁止の例外・遺族厚生年金の要件・障害年金の額改定請求を問う問題です。Aの事務費は国庫が費用全額を負担する点(給付費用と区別)、Bの標準賞与額上限(150万円)、Cの差押禁止の例外(脱退一時金)はいずれも条文知識です。Dは資格喪失後の遺族厚生年金で、初診日から5年経過前の死亡という要件を正確に押さえます。Eは事例問題で、甲と乙それぞれの65歳以降の年金選択状況を踏まえ、障害の程度が増進した場合に額改定請求ができる者を判断させる難問です。
ここがポイント
事務費の国庫負担は費用全額。厚年の標準賞与額上限は1か月150万円。資格喪失後の遺族厚生年金は初診日から5年経過前の死亡が要件。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。